【べらぼう8話】ネタバレとあらすじを吹き出しで解説!2月23日放送(2025年大河)

【べらぼう8話】ネタバレとあらすじを吹き出しで解説!2月23日放送(2025年大河) るるプレス
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2025年NHK大河ドラマ「べらぼう」の第8話(2月23日放送)ネタバレ&あらすじ読みやすい吹き出し形式で記載します!

蔦重

忘八の親父たちを味方につけたら強い!

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目次

べらぼう8話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:可愛い男のため

【べらぼう8話】ネタバレとあらすじを吹き出しで解説!2月23日放送(2025年大河) るるプレス
花の井

重三の細見がうまくいきんすよう。お頼みんす

夜見世が始まるまでのわずかな時間、隙を見て花の井が九郎助稲荷に手を合わせていると

蔦重

花の井、いた!

蔦重がなぜか風呂敷を振り回しながら駆けてきました。

花の井

なんなんだい?その風呂敷

蔦重

風呂敷の中身は~

と風呂敷をパッと広げ

蔦重

何もねぇ! 売り切れだ!

花の井

…..売り、切れ?

蔦重

そう!評判よくってよお、皆どんどん仕入れてえって。
この調子で行きゃあ倍なんてすぐ!
お茶の子サイサイよ!

一緒に喜んでくれるものと思いきや、花の井はちっとも嬉しそうじゃありません。

蔦重

なんだよその顔

花の井

それまだ本屋が仕入れてくれたってだけだろ?
町の人に売れたわけじゃあないんだろ?

蔦重

どうして今そういうこと言うんだよ。喜んでくれると思って、一番に言いにきたのによ

拗ねた子供のように口を尖らせます。

花の井はフッと微笑みます。

花の井

…….ま、わっちもせいぜい助太刀いたしんすよ。
『瀬川』をふらりと物見にくる客もおいでんしょう。
その方たちが『思い出の品として!』と細見を求めたくなるよう、気合いを入れんす

花の井はつい思ってしまうのでした。

この可愛い男のためなら、なんでもしてやれる、とー。

べらぼう8話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:帰ってきた鱗形屋

【べらぼう8話】ネタバレとあらすじを吹き出しで解説!2月23日放送(2025年大河) るるプレス

蔦重が蔦屋に戻ってくると、駿河屋の親父が来ていました。

次郎兵衛と留四郎が相手をしています。

蔦重

(心当たりはないが、また何かやらかしたか……)

戦々恐々としつつ「親父様」と声をかけます。

駿河屋市右衛門(蔦重の義理の父)

おう、どうだったんだ、細見は

蔦重

あ!おかげさまで!持ち込んだ分はすべてさばけまして!

駿河屋市右衛門(蔦重の義理の父)

鱗形屋の話は出なかったか

蔦重

とくには

そうか、と駿河屋は蔦重と入れ替わるように大門の中へ帰っていきました。

留四郎(蔦重の同僚)

案じていらしたんじゃないですかね。
鱗形屋のお裁きが出たって言いますし

早耳の留四郎が、節用集の板木と摺本二千八百冊を没収されただけで済んだと教えてくれます。

次郎兵衛(蔦重の義理の兄)

へえ、巷で言われたよりはずいぶん軽く済んだねぇ

と次郎兵衛。

蔦重

・・・・・・まあ、軽くてよかったですけどね

その言葉に嘘はないけれど、一方で胸がざわざわ騒ぐのを蔦重は感じていました。

「では、須原屋さんの尽力で」

ようやく放免された鱗形屋を、鶴屋が訪ねてきていました。

べらぼう8話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:蔦重の宣伝

【べらぼう8話】ネタバレとあらすじを吹き出しで解説!2月23日放送(2025年大河) るるプレス
鱗形屋 孫兵衛

ええ。
まぁ、柏原屋にはそれなりに詫び金を包むことになっちまいましたが

鱗形屋はすっかり面やつれしています。

取り調べでひどく痛めつけられ、身元引受人となった須原屋に支えられての帰宅だったのです。

「ところで、こちらはご覧になりましたか」

鶴屋が細見「籬の花」をスッと差し出します。

まずその薄さに鱗形屋は目をみはることとなります。

「蔦重が出した細見です。鱗形屋さんのお留守の隙に」

鱗形屋は急いで細見を開き、これでもかと情報の詰まった本を食い入るように見ています。

「見事でしょう。これを半値で売るといいます」

鱗形屋 孫兵衛

けど、こんなもなぁ枠組みを、入れ物を変えただけじゃねえか!

鱗形屋の負け惜しみに、鶴屋は「私もそう思いますよ」とうなずきます。

「あれは吉原の引札屋です。とても本屋なんてものじゃない」

柔和なその微笑みの下には、冷酷なまでの拒絶がありました。

一方、日本橋馬喰町に店を構える西村屋は『新吉原細見』を大々的に売り出していました。

店先には「『新吉原細見』あります」の大きな紙看板、人寄せに女芸者も呼んで、多くの客が「おお、こりや粋だ」「いいねぇ」と本を手に取っています。

「案ずるほどではありませんでしたね」

鱗形屋 孫兵衛

だろ。別に負けちゃいねぇのさ

忠七と話していると、ドドン!と太鼓の音がしました。

見れば派手な呼び売りの一隊が通りをやってきます。

西村屋は目を疑います。

その中に蔦重がいるではありませんか。

蔦重

細見細見、新しい吉原細見、『新吉原細見』だよー!

蔦重が大声で呼びかけながら、『新吉原細見』の表紙を模した大きな看板を掲げます。

「ウチの?」

西村屋が首を傾げていると、「こちらはそこの『新吉原細見』。だが、こちらの細見『離の花』は!」どういう仕掛けか、「新吉原細見』の看板の中から二冊の「離の花』がひょっこり現れたのです。

「『新吉原細見』一冊の値で二冊買えるってんだから驚きだ!」

効果は絶大、西村屋にいた客が蔦重のほうへどっと流れていきます。

蔦重

細見細見、新しい吉原細見、『新吉原細見』だよー!

「あんの、外道がっ!」

西村屋は顔を真っ赤にして地団を踏みましたが、まだまだ蔦重とっておきの売文句が続きます。

蔦重

しかもあの大名跡瀬川が襲名!
瀬川が載ってるのはこっちだけ!

その日の夕方、吉原の仲の町は、『離の花』を手に瀬川の道中を待つ男たちで溢れ返りました。

花感道中が来るたび、「瀬川か?」「違う、大文字屋って書いてある」と大騒ぎになるのです。

そしていよいよ、松葉屋の提灯を持った先導の男来が現れました。

「瀬川だー!」と誰かが声をあげます。

禿を両脇に従えた瀬川花魁の登場だ。より豪奢な着物をまとい、きりりと外八文字を踏みます。

花の井時代は艶やかさが際立っていたが、襲名後は高貴さが加わってまさに高嶺の花。

蔦重が細見を売り、瀬川が客を引き寄せる!

二人は揃って吉原繁盛の立役者となりました。

べらぼう8話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:大賑わいの吉原

さて、吉原では集客のためにさまざまな年中行事が催されます。

中でも仲の町の大通りに毎年三月に植えられる春の桜、そして今まさに行われている七月の玉菊燈籠です。

この期間、女郎屋にあがらない一般の見物客や、いつもは出入りの厳しい女客も詰めかけて吉原は大いに賑わいます。

そんな中、吉原の親父たちは駿河屋の二階で百川の仕出しが用意された祝いの席に集まっていました。

大文字屋カボチャ

うめぇこと玉菊燈籠も重なってよ。繁盛繁盛、吉原繁盛

と大文字屋はホクホク顔。

今日の主賓は、誰あろう蔦重です。

「いよっ!蔦重大明神!」「これからは地本問屋耕書堂様だな!」などと、大文字屋と丁子屋におだてられ、なんだか居心地が悪い蔦重です。

蔦重

ありがとうございます。
・・・・・・あの、ケツの穴がむずむずするんですが

いつもは廊下か、よくて入り口のそばなのに今日は座敷の上座に座らされているのです。

扇屋

どーんとしとけ、もうお前はいっぱしの本屋の主なんだからよ

扇屋が笑いながら蔦重の背中を叩きます。

松葉屋や大黒屋の女将のりつも、感じ入っている。

女郎屋りつ

立派になってねぇ…
吉原に地本問屋ができる日が来るなんてねぇ…!

蔦重

そんなに喜んでいただけて

ジーンとしていると、駿河屋が「飲め」と蔦重に銚子を傾けてきた。

蔦重

いやいや。すべては今日まで育ててくださった親父様のおかげ

慌ててそばの銚子を取り、駿河屋に注ぎ口を向けます。

駿河屋市右衛門(蔦重の義理の父)

おめぇ、俺に喧嘩売ってんのか?

ぎろりと睨まれ、蔦重は飛び上がります。

蔦重

いただきます!ありがとうございます!

大振りの盃になみなみと注がれた酒を一気に飲み干す。まさか親父様の酌で酒を飲む日が来ようとは…。

しみじみ美酒を味わっていると、今度はほろ酔いの大文字屋が銚子を手にやってきました。

蔦重

すいません、俺、このあと仕事が…

大文字屋カボチャ

てめ、俺の酒が飲めないってのかよ!

あとからあとから親父たちがやってきて、暮れ六つに蔦重はようやく宴を抜け出しました。

ふじ(蔦重の義理の母)

ずいぶん飲まされたようだね。耕書堂さん

よろよろと一階に下りてきた蔦重に、ふじが笑いながら声をかけてきます。

蔦重

やめてくださいよ。女将さんまで

ふじ(蔦重の義理の母)

まぁ、みな嬉しいのさ。吉原が自前の地本問屋を持てるなんて思ってなかっただろうし。これからはせいぜい頼りにするといいよ

そう言うと、せわしなく入り口で騒いでいる客のほうへ向かいました。

浅葱裏と揶揄される野暮な田舎侍か、職人や奉公人階級の男たちでしょうか。

「瀬川に会える奥の手があるって聞いたぞ!」

「余ならいくらでも出す!」などと、いずれも遊び方を知らない有象無象の客たちです。

吉原じゅうが瀬川人気に沸いているようで、仲の町では若い男たちが瀬川の話をしていました。

「おい、お前、瀬川と寝たかよ!」「ちょいとね。もう花魁はおいらに首ったけさ」

どう見ても「そりやねぇだろ」という貧相な手合いです。

蔦重が急ぎ足で通り過ぎようとしていると、ふいに誰かが声をかけてきます。

平賀 源内

お兄さん、一人かい?

べらぼう8話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:蔦重が惚れた人

振り返ると、平賀源内と新之助の姿があります。

蔦重

源内先生!ご無沙決してます!新さんも!あの、お二人は今日は

源内がニヤリとして、懐から蔦重の細見『離の花』を取り出します。

平賀 源内

もちろん「瀬川」よ。
いってえどんな妓なんだい?

蔦重

どんな妓って、花の井ですよ

平賀 源内

えええっ!

源内と新之助の驚きたるや、顎が外れんばかりです。

蔦重は二人を松葉屋に案内しましたが、瀬川は座敷がびっしり詰まっているということでした。

平賀 源内

えー!会えねぇの?

源内は不服そうでしたが、今の瀬川にふらりと来て会えることなど、千載に一週もないことです。

蔦重

すみません。
あ、新さん。うつせみ花魁はぜひ会いたい、このまま上がってほしいと。
かけもちにはなっちまうようですが

新之助はため息をつきます。

小田 新之助

すまぬ。かけもちはどうも肌が合わず

平賀 源内

しかし、てえしたもんだね、この人出!

いつの間にか、源内は窓枠に片肘をかけて通りを見下ろしています。

蔦重

けどこりゃあみんな『瀬川』を見にきてんですよね。
細見で人が来てんじゃなくて、あいつが『瀬川』を背負ってくれたから、こうして人が出てくれてるわけで。
俺あ、何をすりゃ、あいつに報えるのかって思う時があります手

源内は思い出していました。

花の井

重三が誰かに惚れることなどござんすのかねぇ

と笑った花の井の顔。

あれは女郎の顔でも、ただの幼馴染みの顔でもなかったのですー。

平賀 源内

んじゃ、いっそ、お前さんが瀬川を身請けしてやりゃどうだい?

蔦重

・・・・・・み、身請け?

蔦重は目をぱちくりさせました。

身請けは女郎が客に身上を引き受けてもらうことで、多くの場合、身請け人の妻や装となります。

平賀 源内

女郎の幸せはそりゃ身請けだろうよ

蔦重

できるわけねぇでしょう。
あいつを身請けなんていくらかかると思ってんです!

小田 新之助

身請けというのはいかほどかかるのだ

気になっていたらしく、新之助が横から聞いてきます。

蔦重

女郎の格にもよりますが、まあ年季が明けるまえだと、どんなに安くても百両二百両。『瀬川』
なんか千両超えになるんじゃねぇですか

小田 新之助

はぁ、そんなに

長屋住まいの貧乏浪人には、もはや想像がつきません。

平賀 源内

けど、考えたことなかったのかよ、小せえ頃とか。
大きくなったら一緒になろうねーとか

源内はいつになくしつこく聞きます。

蔦重は、しばし幼い頃の思い出を頭の中に巡らせました。

蔦重

…あいつ、宝もんにしてた根付を井戸に落としたことがありまして

そう、二人がまだあざみと制理と呼ばれていた頃。

何度水を汲み上げても桶の中に根付は見当たらず、つるべ落としの秋の空は夕焼けになろうとしていました。

幼い頃の蔦重

な。もう諦めねぇ?そろそろ戻らねぇとおいら親父様にゲンコ

そう言うと、いきなりあざみに突き飛ばされました。

「えらそうに!あんた誰の稼ぎで食ってんだい!」「お前まだ一文も稼いでねえだろ!」

負けず嫌いのあさみは、ムキになって桶を井戸に投げ込んだっけ…。

蔦重

…..まぁ、たいがいそんなふうでしたよ

平賀 源内

俺あグッとくるけどねぇ。ちなみに、どういう女に惚れんだよ。蔦重は

蔦重

惚れる?

平賀 源内

おお、そうよ!今まで惚れた女は?どういうんだい?

驚重は困り顔でしばし考え、言いました。

蔦重

いねぇかもしれませんねぇ…

小田 新之助

断様な中におって、女に惚れたことがないのか?

出会ったその日にうつせみに心奪われてしまった新之助には、不思議で仕方がありません。

蔦重

吉原もんは、その手の心根はあらかじめ抜かれちまうんですよ。
女郎には死んでも手え出しちゃなんねぇって叩き込まれますし。
誰かをてめえのモンにするとか考えたこたねぇですね

平賀 源内

虚しい話だねぇ、どうも

ため息をつく源内に、「ですよねぇ」とうなずく蔦重。

ほかのことには人一倍気が回るくせに、なんとまぁ鈍い・・・・・源内は蔦重を横目で見ながらつぶやきます。

平賀 源内

お前さんじゃねぇよ

そろそろ夜が明けます。

昨日は座敷を五つかけもちし、最後の客はまだ高いびきで眠っています。

大槌屋の若旦那です。

育ちのいい、初心な純情者かと思いきやー。

べらぼう8話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:女郎の幸せとは

花の井

……終わった

瀬川は息を吐きました。

いつもなら崩さない髪も化粧も乱れ放題、周囲には闘で使ったおびただしい数の策紙が転がっています。

拾おうと手を伸ばすも、体のあちこちが痛みます。

花の井

ちくしょう…めちゃくちゃしやがって…

痛みを紛らわそうと煙管で一服していると、ふと客が持っていた「籬の花」が目に入ります。

「売れた!」と嬉しそうに報告してきた蔦重の顔が浮かびます。

客を送り出すまでが女郎の仕事。

瀬川は気を取り直して身づくろいを始めました。

毎日必ず蔦重の貸本を待っている瀬川が、どうしたことか今日は姿が見えません。

さくらとあやめに聞くと、「まだ寝ておざりんす」という返事。

昨日の客がひどい強蔵で、と顔をしかめます…。

強蔵とは精力絶倫の男のことです。

蔦重

な、なんで瀬川にそんな客つけてんですか!

蔦重はいねに抗議したが、てんで取り合ってくれません。

「強蔵なんて女郎をやってりや誰だって当たりんす。瀬川だって初めてでもござんりんしょ」

近くで爪紅を差していた松の井も、やけに口調が冷たい様子です。

蔦重

けど、あいつは今、誰より忙しいわけじゃねえですか!
何もそんな客の相手

「ならばわっちなら構わぬと?うつせみなら構わぬと?瀬川ではないならよいと?誰かが相手をせねばならぬのでありんす!」

声を荒らげて蔦重を睨みつけます。

蔦重が戸惑っていると、なだめ役のうつせみが間に入ってきました。

うつせみ

花魁、おやめなんし

とその拍子に、首に巻いていた手拭いがはらりと落ちます。

蔦重

花魁、それ

首にくっきりと残る赤いあざー絞められた跡です。

うつせみがパッと背を向けます。

「自ら手を挙げた瀬川がキツいのは自業自得。それより、その尻拭いするわっちらの身になってほしいものでありんす」

松の井が腹を立てるのも無理はありません。

瀬川目当てで来た客をほかの女郎たちがさばいているとはー。

蔦重は返す言葉がありませんでした。

蔦重

十分馴染みのいる女郎たちまで、かけもちする羽目になってるらしくて。しかも俺は瀬川に会いにきたのにって言う野暮も山のようにいるようで

つるべ蕎麦で昼飯を食いながら次郎兵衛と半次郎に話します。

野暮ならまだいい。強蔵も耐えられる。

だがうつせみの客のように、女郎に暴力を振るって興奮するような輩となると……。

次郎兵衛(蔦重の義理の兄)

客がねえのも困りもん、来たら来たでも困りもんか

蔦重

いったい、女郎ってなぁどうやりや報われるんですかね

次郎兵衛は「やっぱり身請け」だと言い、半次郎は「身請けより間夫」だと言います。

なぜなら「間夫はつとめの憂さ晴らし、間夫がいなけりゃ女郎は地獄」だからだと。

蔦重

問夫か。いなさそうだなぁ。あいつ…

人のこと言えんのかと怒鳴られそうなことを呟きながら、瀬川の憂さ晴らしはなんなのか、蔦重は一生懸命考え続けました。

べらぼう8話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:昔の思い出

【べらぼう8話】ネタバレとあらすじを吹き出しで解説!2月23日放送(2025年大河) るるプレス

瀬川は部屋で横になり、古びた赤本を読んでいました。

塩売文太物話

大切にしていたが、繰り返し繰り返し読んだのですっかりくたびれてしまっています。

これは昔、井戸に落とした根付を諦めきれないあざみに、蔦重がくれたものなのです。

幼い頃の蔦重

おいらの宝もんやっからさ。
これで手打ちにしねぇ?

手打ちとは
確執を取り払って和解すること、不和を解消すること、という意味の慣用表現です。

幼い頃の蔦重

ちょっと待ってろ!

と走り去った蔦重が、本を手に息を切らして戻ってきた、あの瞬間。

少女に淡い恋心が芽生えたのかもしれません……。

松葉屋の女将いね

花魁。入るよ

青白い顔で微笑んでいるといねが入ってきました。

髪結いの女も一緒です。

瀬川は身を起こし、指名を書いた引手茶屋からの差し紙をいねから受け取りました。

松葉屋の女将いね

今日の昼はこのまえの裏、夜は初会の客が二組、合間に花の井からのお馴染みさんをお通しするよ。いいね

花の井

あい……

鏡台の引き出しにそっと本をしまい、背筋を伸ばして鏡に向き合います。

そこに映った顔は、すでに花魁のそれになっていました。

べらぼう8話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:さすが源内

【べらぼう8話】ネタバレとあらすじを吹き出しで解説!2月23日放送(2025年大河) るるプレス

しばらくぶりに江戸に戻った源内は、中津川鉱山の件で田沼意次を訪ねていました。

田沼 意次

では、炭のほうはうまく回り始めたのか

平賀 源内

ええ、おかげさまで

鉄を炭に変えれば皆が儲かると出資者たちを説得し、人質だった平秋東作も解放され一件落着となったのでした。

源内が庭に目を転じると、意知と三浦庄司が武具や馬具の長さと大きさを測り直しています。

平賀 源内

あれは、社参のお支度にございますか

田沼 意次

白眉毛に入り用となると言われ武具馬具を揃えたのだがな、
大きさに『しきたり』があるといちゃもんをつけられてな。
持つだけの弓槍にくだらんことこのうえないわ

平賀 源内

先日、吉原の『瀬川』という名跡が蘇りましてな。その道中を一目見に、吉原には人が集まり、ずいぶんと繁盛しておりました

意次は眉を寄せました。

源内が急に吉原の話を持ち出した意図が分かりません。

平賀 源内

不躾ではありますが、お上の道中も民草には良い見物なのでは?

田沼 意次

なんと……!

源内は社参を見世物にして、金を得る場にせよというのです。

平賀 源内

これを機に宿場宿場の商いを盛り立てるなど容易いこと。
かつ、その銭の出入りをうまく使えば、
二朱銀への置き換えも進めることができますかと

源内の言う「南第二朱銀」は重さで価値を決めるこれまでの種量貨幣と違い、八片で小判一両とする計数貨幣です。

商売の活性化と安定した経済を期待して意次が発行させたものなのです。

しかし、社参を逆手に取るとは、さすが源内。

莫大な出費の埋め合わせもできます。

意次の気鬱は一度に晴れたのでした。

べらぼう8話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:贈り物の本

もう戻ってきているはずなのに、鱗形屋の戸はまだ閉まったままです。

表に提げられたまま風に揺れている、本の宣伝を書いた木札が切なく感じました。

蔦重

もう本屋はやらねぇってことですかねぇ

気になった蔦重は、須原屋を訪ねたついでに聞いてみました。

須原屋

けど、細見はやらねえんじゃねぇか?あんなものを半値で出されちゃ

蔦重

……須原屋さんも、鱗形屋の板は俺が帰らしたって聞いてます?

須原屋

やっこさんもホントのとこは分かってるような気もするけどな

須原屋から事件の真相を聞いた蔦重は驚きました。

鱗形屋から板本を買って売りさばいていた小島松平家の江戸家老・斎藤が、上方の本屋が犯人捜しをしていると聞き、主家と家門に咎が及ばぬよう勘定吟味役の松本秀特に賄賂を渡して泣きついたのです。

そして鱗形屋にすべての罪を被せて逃げたというのです。

蔦重

……ん?なんで須原屋さん、そんな話まで

須原屋

ま、この話、収めたのは私だからな

これ以上騒ぐなら、そっちのしている板を訴え返すぞと柏原屋を脅しつけたというのです。

須原屋

上方ってな、こっちの板は責めるくせに、
てめらのことは棚上げしゃがんのよ

蔦重

本は上方から流れてくるもんだった……からですか?

須原屋

そうそう。昔は本屋もほとんどが上方の出店でな。
江戸生まれの本屋なんて須原屋と鱗形屋くれぇしかなくて。
だから、お前さんには面白くねぇだろうがウチの筋としちゃ、
助けねぇわけにはいかねぇのよ

蔦重

いえ。俺も鱗の旦那に潰れてほしかったわけじゃないんで

須原屋

……今日は?その話聞きにきたのかい?

蔦重

いえ、あの、ちょいと本の相談に乗っていただきたいんでさ

と蔦重は頭をかきかき、照れくさそうに言います。

蔦重

ある女郎に本を贈りてえと考えてまして

べらぼう8話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:鳥山検校との出会い

「いいかい、今日の初会は税校、鳥山検校だからね。前の大親分でものすごい金持ちだよ」

松葉屋の遣手・まさが、座敷に同行しながら瀬川付きの禿や新造たちに言い聞かせます。

この当時、盲人は幕府や朝廷の手厚い庇護を受けていました。

当道座という集団を作ることを許され、官位まで授与。

検校とは盲官(盲人の役職)の最高位なのです。

さらに生業として高利貸しを認められ、この鳥山検校のように巨万の富を築く者もいたのです。

しかしその一方、禿や新造たちのように

「わっち盲は嫌いでありんす」

「やたら威張るのも多うありんすし」

「来世は地獄さ」

などと良み嫌われる側面も持っていたのです。

松葉屋の女将いね

けど、そういうのは得てして下っ端さ。検校は盲の頂点にいるお方。花魁、粗相がないように頼むよ

心得たもので、瀬川は妹分たちに微笑みます。

花の井

皆、金の山が座っておると思いんしょう

「瀬川花魁、おいでなんした」

複が開けられ、瀬川は下座に目もくれず上座に向かいます。

客は静かに酒を覧んでいるようです。

ちらりと検校を盗み見ると、意外にもいたって上品な停まいです。

瀬川が席につくと、検校は盲いた目をぴたりと瀬川に向けました。

まるで見えているかのようです。

鳥山 検校(盲目の大富豪)

すまぬ。驚かすつもりはなかったのだが

松葉屋の女将いね

まぁ、驚いたことまでお分かりに!どうやって!

検校の傍らについていた女将のいねが目を丸くして言います。

鳥山 検校(盲目の大富豪)

息を呑んだ音がした。
声や足音や衣擦れの音で大抵のことは分かるのだ。
おい、花魁にお持ちしたものを

暗限の従者から、瀬川に包みが差し出されました。

中身は本だといいます。

鳥山 検校(盲目の大富豪)

初会は花魁は座っておるだけ。
さぞ退屈であろう。
幸いわしは盲、気にせず皆で楽しむが良い

松葉屋の女将いね

まぁ、なんと!なんというお心遣い。ありがとうござりんす!

いねが大仰に感激し、まさに包みを開けさせます。

中には本や絵、双方までありました。

花の井

へぇ……

瀬川は検校を見ました。

ほかの上客と同じように大金をばら撒いたり豪華な贈り物をすることもできたはずです。

けれどこの盲人の大親分は、そこらの金持ちとは違うようです。

花の井

もし。よろしければ、一冊読みんしょうか

検校は驚いています。

初会では口もきかないはずの花魁が自ら声をかけてきたからです。

鳥山 検校(盲目の大富豪)

しかし、それはしきたりを破ることになろう

花の井

常ならば花魁の姿を楽しむのが初会。
代わりに声をお楽しみいただいて
なんの罰が当たりんしょう

鳥山 検校(盲目の大富豪)

見世が許すならば、嬉しいことだが

松葉屋の女将いね

では、本のお礼ということでどうざんしょ

いねは迷っていましたが、特別に許可を出しました。

花の井

ありがとうござりんす

瀬川が本を見繕っていると、見たことのない上下二冊組の青本がありました。

表紙を見てハッとなります。

「金々先生栄花夢」きんきんせんせいえいかのゆめ

題名の下に、三つ鱗の板元印がはっきりと記されていました。

べらぼう8話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:鱗形屋の復活?

蔦重が包みを抱えて店に戻ってくると、次郎兵衛が鼻をほじりながら本を読んでいました。

あの義兄さんが本を!

次郎兵衛(蔦重の義理の兄)

ははは…!

しかも面白そうに笑っているではありませんか。

蔦重

義兄さん、いったい何を読んでんです?

次郎兵衛(蔦重の義理の兄)

あ!これ見た重三?三味仲間が教えてくれたんだけどよ!!

『金々先生栄花夢』という青本です。

作者は恋加春町。

聞いたことのない名です。

次郎兵衛(蔦重の義理の兄)

これが面白えのなんのって。
お前これ山のように仕入れたほうがいいよ!

次の瞬間、得も言われぬ戦慄が走りました。

表紙に鱗形屋の板元印があるではないですか!

まさか。

次郎兵衛から本を奪い取って読み始めます。

浮世は夢のごとしー

内容は、ある田舎者の若者がうたた寝する間に見た夢の話です。

話の立て付けはありふれたものでしたが、そこに描かれた人の振る舞いや言葉、風俗はとても生々しく、絵入りの庶民向け読み物でありながら、「うがち」の効いた画期的なものに仕上がっていました。

一気に読み終え、蔦重はしばし放心しました。

次郎兵衛(蔦重の義理の兄)

な。よく出来てんだろ。
色町のトンチキなどまるで見てきたようでよ

蔦重

そりゃそうでしょう、見てきた話なんですから

次郎兵衛(蔦重の義理の兄)

…えっ!ひょっとして

次郎兵郎にも思い当たる箇所があります。

慌てて本を取り戻し、その頁をきます。

次郎兵衛(蔦重の義理の兄)

これ、俺の『目ばかり頭巾』の話かい?
でもこれお前が作ったんじゃないよね!

蔦重

俺が聞き回ったネタで、鱗形屋がめっぽう献白え話を作ったってことですよ

瞬形屋が刊行した今までにない草双紙「金々先生栄花夢』は大評判となり、一世を風靡。

これが黄表紙の始まりとなるのです。

この大ヒットには鶴屋のつけ知恵も大きかったのです。

まずはあえて少なく撒き、本好きの飢えを煽りに煽り、頃合いを見計らって一気に売り出したのです。

むろん本の出来が秀逸だったからこそだが、鶴屋は鱗形屋の耳元にこう囁きました。

「やはり青本は鱗形屋だと評判を高める。そうすれば皆、思いましょう。考えてみれば細見など誰でも作れる、しかし、このような本は誰にも作れるものではない。大事にすべきは鱗形屋さん。吉原の引札屋などではない、と」

べらぼう8話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:瀬川の思い

【べらぼう8話】ネタバレとあらすじを吹き出しで解説!2月23日放送(2025年大河) るるプレス

翌朝、瀬川が「金々先生栄花夢」を手に、慌てて九郎助稲荷にやってきました。

花の井

重三! これ見たかい!

蔦重

あ!….あぁ、どうだった?

花の井

わっちは初めて青本を面白いと思ったよ

蔦重

だよなぁ。俺もあっという間に読んじまったよ

花の井

鱗形屋は早々に持ち直したってことかい?
あんたの仲間入りの約束は?
守ってもらえんのかい?

瀬川が矢継ぎ早に質問を浴びせてきます。

蔦重

……慌てることあんだな。花魁も

花の井

のんきなこと言ってる場合じゃないだろ!

と瀬川は半ば呆れて眉間に力を込めました。

蔦重

うん。そこは昨夜、親父様たちと話をしてさ

花の井

…親父様たちが?話に乗ってくれるのかい?

蔦重の行動は素早かったのです。

吉原の親父たちに集まってもらい、相談にのってもらったのでした。

蔦重

いざやるとなったら、山のように妙案をくれてさ。
腹を括ったらさすがってえか。
商い分かってるてぇか

瀬川はなぜか黙り込んでいます。

蔦重

花魁?

蔦重が声をかけると我に返ったように答えます。

花の井

あ!あぁ、そうだね。
忘八は味方になりや、そりや、頼りになるよね

蔦重

肩屋の親父さんなんて、地本問屋を皆まとめて吉原漬けにして、
首回らねえようにしちまえって。
忘八だよなぁ

花の井

吉原をなんとかしたいのは、
もうわっちら二人きりじゃなくなったってことだね

切なさを隠し、明るく冗談めかします。

蔦重にはもう、自分の手助けなど必要ないのです。

蔦重

おおっ!そうだな。そういうことだな!
仲間が増えたってことだな

花の井

ありがたい話だねぇ、まったく

瀬川はそう言うしかありません。

そんな女心の機徴を、野暮天の蔦重に分かるはずもないのです。

蔦重

花魁のおかげだよ…

蔦重はちょっと口ごもって言います。

蔦重

今までお前が助けてくれなきゃ、親父様たちもこんなふうにはなってくれなかったわけでさ

花の井

別に、あんたを助けようと思ってやったわけじゃないし

蔦重

…..あのよ、これ。もらってくんねぇか

蔦重が差し出したのは、「女重宝記」という本です。

当時の女性が身につけるべき知識や教養を記した女訓書です。

蔦重

俺、お前にはとびきり幸せになってほしいと思ってんだ。
身請けされて、それこそ名のある武家の奥方やら商家の御内儀やらになってほしいんだよ、お前ならなれると思うし。
女郎は世間知らずで苦労したり、それがもとで追い出されちまうこともあるっていうじゃねぇか。
んなことにならねぇように、その本読んどきゃいいらしいんだよ

花の井

……重三にとって、わっちは女郎なんだね

無音で本に目を落としていた瀬川が、ぽつりと言います。

蔦重

へ?

蔦重は、瀬川の声音に混じる寂しさにも気づきません。

花の井

吉原に山といる、救ってやりたい女郎の一人

蔦重

へ?けど、とりわけ幸せになってほしいって思ってんぜ。
ガキの頃からの付き合いだし、えらく世話んなってるし。
心から報いてぇと思ってるよへ?

花の井

……はは、馬鹿らしうありんす

瀬川は振り切ったように笑います。

花の井

ありがとうござりんす。せいぜい読み込みいたしんす

と背を向けて去っていきました。

どうも思っていた反応と違う。

蔦重は首を傾げ、お稲荷さんに問いかけます。

蔦重

…なんか、あいつ、怒ってる?

もし口がきけたら、お稲荷さんはこう言ったでしょう。

バーーーーーカ!バカバカ!豆腐の角に頭ぶつけて死んじまえ!このべらぼうめっ!

べらぼう8話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:反故にされた約束

【べらぼう8話】ネタバレとあらすじを吹き出しで解説!2月23日放送(2025年大河) るるプレス

そして、ついに地本問屋たちが吉原に乗り込んできました。

鱗形屋、鶴屋、西村屋、村田屋、松村屋、奥村屋と舞々たる顔ぶれです。

駿河屋では親父とふじが大慌てで席の支度をし、先に到着した扇屋と大黒屋のりつ、松葉屋が地本問屋たちの相手をしています。

やがて大文字屋と丁子屋が遅れてやってきました。

大文字屋カボチャ

奴ら、先手を打ってお仲間入りを断りにきたってことか

大文字屋が入り口近くに座った蔦重にコソコソ話します。

蔦重

…おそらく。
今、なんとか扇屋さんが酒に持ち込もうとしてるんですが

代金はこちらが持つからと扇屋が勧めても、鶴屋はいっさい揺るぎません。

「女と博打は糀町の井戸。はまれば底が知れぬと聞きますので」

そう言って、早々にりつの酌を受けていた西村屋にも酒を許しませんでした。

「では、そろそろお話に入ってよろしいですかね」

鶴屋が鱗形屋を促し、鱗形屋が「金々先生栄花夢』を取り出します。

鱗形屋 孫兵衛

実は此度このような青本を出しまして。
ことのほか評判も良く、ありがたいことに店先には客が詰めかけてくれてます。
これからはよりいっそう本屋として精進していく心づもりです

蔦重と親父たちが目配せし合います。

案の定、鶴屋が本題を切りだしてきました。

「私たちとしてはやはり長い付き合いの鱗形屋さんを力のかぎり支えていきたい。
それが仲間内の総意となりまして。申し訳ありませんが、耕書堂さんの仲間入りの話はなかったことに」

蔦重は膝を進め、吉原の親父たちと練った腹案を告げます。

蔦重

ウチが出すのは吉原に関わるものだけと考えております!
鱗形屋さんが出すような青本、芝居絵本、往来物類は一切出しません。
それならば、皆様が案じなさっておられる本の増えすぎによる
共倒れは起こらぬかと。
そんな取り決めでなんとか私をお仲間に加えていただけませんでしょうか

鱗形屋 孫兵衛

けど、細見は出すんだろうが

と鱗形屋。

蔦重

細見はこちらで作り、タダでお譲りするという形はいかがでしょうか。
それならば元手はかからず、皆様は売ったぶんすべてが実入りとなります

西村屋が「ひ、『雛形若菜』は!」と身を乗り出します。

蔦重が企画したこの揃物は、いまや西村屋の主力商品なのです。

蔦重

どうぞお続けくださいませ。
それでどうでしょう鱗の旦那!皆様方!
皆様にとっても決して悪い話ではねぇかと考えますが!

地本間屋一同、思いもよらぬ好条件に戸惑っています。

いけるんじゃないかー蔦重が思わず拳を握りしめた時、同業者たちの動揺を見て取った鶴屋がおもむろに口を開きました。

「・・・・・分かりました。あの、ここからは私だけでお話しさせてもらってよろしいでしょうか。実は、ここにいらっしやってない方々からも預かっている話もございまして」

鶏重たちには想定外の展開です。

鶴屋を残し、ほかの地本問屋は部屋を出ていきました。

「ずいぶんとこちらも儲かる話をお考えいただいたようですが、世には金で動くものと動かぬものがありましてね。名前は申し上げられませんが、『吉原者』を市中の仲間に加えるのかという方々が少なからずおられます」

蔦重

な、なんですか。それは

うろたえる蔦重に、鶴屋はいたって穏やかに言いました。

「『吉原者』は卑しい外道、市中に関わらないで欲しいと願う方々がいるということです」

いったん座がシーンと静まり返り次の瞬間、大文字屋の怒号が響き渡りました。

大文字屋カボチャ

なに抜かしてやがる!
てめえらののさばってる日本橋は元は吉原のあったトコじゃねぇか

吉原が明暦三年の大火で移転したあと、日本橋通油町は江戸の商業・文化の中枢となりました。

「私もそう言ったんですが、『江戸にこんないかがわしいものはいらぬ』と市中から追われたじゃないかと」

主人の中には文化人や教養人もいたが、廊の外では四民(土農工商)との付き合いが許されぬほど卑しい身分とされていました。

しかし、泥水稼業の忘八にも誇りがあります。

見下される筋合いはない。

扇屋

こちとら天下御免ですけどねぇ

「お上が僻地へ追い払った者たちに、市中の土を踏ませてはお上に逆らうことになると」

女郎屋りつ

その方たちは女もお買いにならないんでしょうなぁ

「どうなんでしょうねぇ、そこまでは私には」

りつと扇屋が攻め込むも鶴屋はのらりくらりとかわし、押し問答が続きます。

いずれにしろ、これでは埒が明きません。

蔦重

あの、吉原を毛嫌いする旦那様たちと話をさせてもらえねぇでしょうか。
直に話し合って親しみを持っていただくしかねぇと思うんですよ。
俺、失礼のないように気をつけますから

頭を下げる蔦重に、鶴屋はため息をつき、優しい笑顔で言います。

「ですよね。私もそうしませんかと申し上げてみたんですが。皆様、吉原の方とは同じ座敷にもいたくないって具合で」

べらぼう8話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:吉原へ出入り禁止

その時でした!

駿河屋が無言で立ち上がり、むんずと鶴屋の襟首を掴んだのです。

駿河屋市右衛門(蔦重の義理の父)

嘘くせえんだわ、お前

そのままズルズルと鶴屋を引きずっていきます。

蔦重は仰天してあとを追いかけました。

蔦重

お、親父様!落ち着いて!やめてやめてくだせえ!
よその人です!

駿河屋市右衛門(蔦重の義理の父)

グダグダグダグダ理屈並べやがって

「皆様」なんかいやしない。

言ったこと全部、この童顔の本屋の本音だろう。

階段まで来た駿河屋は、鶴屋を思いきり階下にぶん投げたのです。

蔦重

鶴屋さん!

運悪く階段の下にいた西村屋が蔦重の叫び声に振り返り、落ちてきた鶴屋の下敷きになりました。

鱗形屋ら地本問屋たちが驚いて駆け寄っていきます。

駿河屋市右衛門(蔦重の義理の父)

悪いけど、俺だってあんたらと同じ座敷にいたくねぇんだわ

駿河屋が階段の上から吐き捨てます。

ほかの親父たちもズラリ揃って地本問屋たちを見下ろしました。

大文字屋カボチャ

出入り禁止な、あんたら

と大文字屋。

松葉屋の親父

おや?ってことは、もう皆さんは吉原の本は作れない?

と松葉屋が続け

女郎屋りつ

あらまあ、じゃあ今後は重三しか作れないってことんなるね!

とりつが締め括ります。

しかし、まだまだ親父たちは収まりません。

「黙って大門潜りゃいいなんて考えんなよ!」丁子屋が威勢よく言い放ち

扇屋

そうですよ。二度と出ていけなくなりますからね

と扇屋がやんわり脅しをかけます。

最後は駿河屋が鶴屋に向かい、腹の底から啖呵を切りました。

駿河屋市右衛門(蔦重の義理の父)

覚悟しろや、この赤子面!

鶴屋の童顔が、初めてカッと歪んだのでした。

べらぼう次回放送

次回のべらぼうネタバレ第9話はこちら

【べらぼう9話】ネタバレとあらすじを吹き出しで解説!3月2日放送(2025年大河)

第7話 | 第9話

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べらぼうのネタバレとあらすじ:一覧

2025年2月

2025年3月

べらぼう8話:筆者の見解

見返りさん

放送後に記載いたします~!

大河ドラマ べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~ 蔦屋重三郎とその時代 (TJMOOK) [ 鈴木 俊幸 ]

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