NHK朝ドラ「あんぱん」
第122話 (2025年9月16日(火)放送)

あんぱん第122話あらすじを
分かりやすい吹き出しで読んでいくぜ!
朝ドラあんぱん第122話のネタバレ&あらすじを読みやすい吹き出し形式で記載します!
あんぱん全話を吹き出し形式で読みやすくご紹介しています!


【あんぱん第122話】ネタバレとあらすじを吹き出しで解説:大人も子供も心は同じ
昭和五十(一九七五)年一月、「いちごえほん」が創刊され、『詩とメルヘン』の一月号では『熱血メルヘン・怪傑アンパンマン』の連載が始まった。
しかし、嵩の熱い思いが込められた『怪傑アンパンマン』は、一部の読者に人気が出たものの、あまり話題にならないまま最終回を迎えることになった。
翌年の春、たくやが久しぶりに柳井家に訪れた。
新たに自社ビルを建てたり、離婚をしたりと何かと忙しい人生を送っているたくやだったが、少年のような目のきらめきは未だに健在である。
たくやはカバンの中から絵本『あんぽんまん』を取り出し、嵩に見せた。

たくちゃん、買ってくれたの!
僕、『詩とメルヘン』の連載も全部読んでます。それで…
たくやが言いかけると、突然子どもが二人、居間に飛び込んできた。
のぶとメイコが子どもたちを追いかける様子を横目で見ながら、嵩は顔をほころばせた。
うちのカミさん、お茶を教えながら子どもたちに絵本の読み聞かせしてるんだ

メイコさんも?

はい。助手をやってます
メイコが会釈すると、子どもたちは突然アンパンマンごっこを始めた。
お腹空いたよー。ひもじいよー
ぼくはアンパンマン。さあ、ぼくの顔をお食べ
ありがとう、おかげで助かりました
じゃあ、ぼくはお腹の空いた人を助けに行ってきます。さようなら!
飛ぶポーズで走り去る子どもを見つめながら、たくやは目を輝かせた。
…なんだか、お芝居の原点を見た気がします。子どもの日に狂いはないんだ…柳井さん、実はお願いがあって来ました。『怪傑アンパンマン』…ミュージカルにしてみませんか?

…え?
どうしてもアンパンマンを描きたいという気持ちが連載から伝わりました。この物語をベースに、柳井さんの詩に僕が曲をつけたものが何曲かあるし、きっとうまくいくと思うんです

うーん。でも、あれは大人向けの話なんだよね
僕が柳井さんと童謡を作り始めたのは、柳井さんが子どもだからってバカにせず、真剣に作品を創れる人だからです。大人にも子どもの心を持った人はいますし
たくやの言葉は、まさに嵩が常に思っていることだった。
大人も昔は子どもだったし、子どもはすぐ大人になる。
心の中は同じなんだ。
想像もしていなかった申し出だったが、嵩はこのミュージカルに挑戦してみようと心を決めた。
【あんぱん第122話】ネタバレとあらすじを吹き出しで解説:怪傑アンパンマンのミュージカル
こうして『怪傑アンパンマン』のミュージカル制作が動き出したが、嵩は多忙を極めていて、初回の打ち合わせも別の仕事と重なり出席することができなくなってしまった。
打ち合わせ当日、たくやの劇場には演出のマノ・ゴローをはじめ、俳優やスタッフが大勢集まっていた。
手伝いに来ていたのぶとメイコが隅のほうで縮こまっている中、早速たくやが挨拶を始めた。
公演初日は三か月後を目指しています。脚本と舞台美術は、原作者の柳井嵩さんです。柳井さんに、原作のコンセプトを語ってほしかったんですけど
そう言うと、たくやはのぶに視線を向けた。
のぶさん、代わりにお願いします。柳井のぶさんは、子どもたちに「あんぱんまん」の絵本の読み聞かせをしています。それくらい、このヒーローに思い入れがあるんです
一同の視線が集まり、のぶは緊張しながら立ち上がった。

…では、僭越ながら…原作の『怪傑アンパンマン』は連載中、ごく一部の大人の読者にしか人気がありませんでした。
かといって、絵本の『あんぱんまん』がすべての子どもたちに人気があるわけではありません。
ヒーローのくせに、弱くてカッコ悪いんです。
マントも焼け焦げてボロボロです。
でも、私はそんなふうに弱くてカッコ悪いヒーローが、愛おしくてたまらないんです。
アンパンマンは、お腹を空かせた人たちの所に飛んでって、自分の顔を食べさせるんです。

だから、帰りは顔がない情けない姿でヨロヨロ飛びます。
中には、そんなアンパンマンを気に入ってくれる子もいるんです…それは、とっても幼い子どもたちなんですけど、アンパンマンの優しさが分かって、笑ってくれるんです。
またアンパンマンに会いたいって思ってくれるんです

ちょっと、それはもうコンセプトやのうて、お姉ちゃんの願望が入っちゅうで
メイコに突っ込まれ、のぶはハッと我に返った。
そんなのぶを微笑ましそうに見つめながら、たくやはそのまま続けるよう、のぶに促した。
…知ってる人しか知らないアンパンマンですが、どうか皆さんのお力を貸してください。今はヨロヨロ飛んでいますが、アンパンマンは、もっと遠くまで飛べるはずです!よろしくお願いします!
たくやが拍手をし、その拍手はやがて全体に広がった。
こうして、『怪傑アンパンマン』のミュージカルは、三か月先の初演に向けて走り出した。
【あんぱん第122話】ネタバレとあらすじを吹き出しで解説:真実
その数日後、蘭子がキューリオで『詩とメルヘン』の編集を手伝っていると、女子社員に案内されて一人の来訪者がやってきた。
来訪者の男は、蘭子の前で軽く頭を下げた。
柳井嵩さんにお目にかかりたいんですが…

今日は編集長、まだ来てないんです
そうですか…では、待たせてもらってもいいですか
蘭子は男の顔を見て、ハッと息を呑んだ。
男は、御免与町の田岩男とそっくりの顔をしているのだ。
少し離れた所から、八木もその男をじっと見ていた。
蘭子は男を会議室に案内し、急いでのぶと嵩に電話をした。
蘭子から電話で呼び出され、嵩とのぶはキューリオに駆けつけた。
会議室に入り、男の顔を見た瞬間、嵩とのぶは驚いてその場に立ち尽くした。
男は立ち上がり、丁寧に一礼した。
初めまして。田川和明と申します

田川岩男さんの息子さんです
蘭子が紹介すると、八木が前に進み出た。

田川さんは、お父さんのことをお前に聞きたくて、いらしたそうだ
柳井さんと八木社長は、中国の戦場で父と同じ駐屯地にいらしたそうですね

…はい。お父さんは生きて帰国して、息子の君に会うのを楽しみにしていました
少しの沈黙の後、和明は重い口を開いた。
私には、今、息子がいますが、父親としてどう接していいか分からないんです。
それは、父の記憶がないからではないかと思ったんです。
だから…少しでもいいから、父親のことを知りたいんです。
母は、いつも僕に言っていました。
父さんは『交戦による名誉の戦死』をしたのだ、と
その瞬間、八木と嵩の表情が曇ったことを、のぶと蘭子は見逃さなかった。
しかし、父の戦友がたにお聞きしても、誰も父の最期に居合わせていないんです。見張りに立っていて一人で戦死したとしか…教えてください。本当なのでしょうか?父はなぜ死んだんですか?
嵩は、額に嫌な汗が滲むのを感じた。
考えるほどに、口が思うように動かなくなる。
柳井さん、僕は本当のことが知りたいんです。八木社長は、何かご存じないですか
重い沈黙が流れた。
ただならぬ空気に蘭子とのぶは席を外そうとしたが、次の瞬間、八木が口を開いた。

君のお父さんの命を奪ったのは…小さな少年だ
…少年?ウソでしょう

その子は…中国人のみなしごだった。田川兵長によく懐いて、お父さんもその子をかわいがっていた
嵩の脳裏に、リンを肩車する岩男の姿がフラッシュバックする。

…岩男くんは、その子に、まだ会ったことのない君を重ねて、かわいがってたんです
和明は、混乱した様子で嵩に問いただした。
ちょっと待ってください。なぜ懐いていた子どもが、父の命を!?

…お父さんは、その子を恨んでいない
なぜ殺したんですか!
和明に問い詰められて嵩が沈黙していると、八木がゆっくりと口を開いた。

田川兵長は…

八木さん!
八木に続きを喋らせまいと、嵩は声を荒らげた。
その剣幕に、のぶと蘭子は体を強ばらせている。和明は、八木の目をじっと見据えた。
教えてください

少年はゲリラの子だった。ゲリラ討伐で、日本兵に両親を殺されたんだ
まさか…その日本兵が.....父さん…

お父さんは、軍の命令に従っただけだ。少年は父親の形見の銃で、仇を打ち…その直後に泣いていた。岩男さんは、ぼくの優しい先生でしたと…
…その少年はどうなったんですか?処刑されたんですか?

…いや、私が逃がした
言葉を失っている和明に向き直り、嵩は言葉を絞り出した。

それが、岩男の望みだったんだ…最期まで、岩男はその子を庇い続け、息を引き取った…戦争さえなければ、二人は誰よりも心を許し合えたはずだ
なぜですか!なぜ父は、その少年を庇い続けたんですか!......なぜ父は......殺されなければならなかったんですか!

それが戦争なんだよ!
嵩のひと言で、再び静寂が訪れた。
和明は混乱する頭を抱え、力なく壁にもたれかかった。
ずっと知りたかった真実は、あまりにも残酷なものだった。
和明は大きなショックを抱えたまま、夕暮れの帰り道を歩いていた。
そこへ、背後から名前を呼ぶ声が聞こえた。
【あんぱん第122話】ネタバレとあらすじを吹き出しで解説:絵本
足を止めて振り返ると、のぶが息を切らせて和明の目の前まで走ってきた。

…私、あなたのお父さんのこと、昔からよう知っちょったがです…あんなことがあったらあて、何も知らんかったがです…息子のあなたは、どればあショックやろうと思うて…
それで、追いかけてきたんですか
和明は、伏せた目を上げて、のぶが抱えている本に目をやった。
…あの、それは?

何も助けになれんけんど、これを受け取ってほしいがです
のぶは「あんぱんまん」の絵本を差し出した。
和明は怪訝な表情のまま絵本を受け取り、しげしげと見つめた。

これが、うちの人の気持ちです。よかったら、坊やと読んでください
…ありがとうございます
和明は頭を下げ、夕暮れの坂道を去っていった。
岩男の生き写しのようなその背中を、のぶはいつまでも見送った。
【あんぱん第122話】ネタバレとあらすじを吹き出しで解説:次回放送
次回のあんぱんネタバレ第123話はこちら

【あんぱん】ネタバレとあらすじ(吹き出し)一覧
第25週 怪傑アンパンマン

第25週 怪傑アンパンマン
121話 9/15(月) 隠れたファン
122話 9/16(火) ミュージカル
123話 9/17(水) 岩男の息子
124話 9/18(木) 初演は大成功?
125話 9/19(金) これでえいがや
あんぱん第122話:筆者の見解

岩男の息子と会ったんだなぁ
岩男くんの息子さん、岩男君そのものでしたね!
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