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【べらぼう24話】ネタバレとあらすじを吹き出しで解説!6月15日放送(2025年大河)

【べらぼう24話】ネタバレとあらすじを吹き出しで解説!6月15日放送(2025年大河)
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2025年NHK大河ドラマ「べらぼう」の第24話(6月15日放送)ネタバレ&あらすじ読みやすい吹き出し形式で記載します!

蔦重

いよいよ日本橋に店を構える…!?

べらぼう全話を吹き出し形式で読みやすくご紹介しています!

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目次

べらぼう24話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:俺たちに任しとけ!

その一癖ありそうな「奥の手」は扇屋の馴染みの茶問屋・亀屋の若旦那で、丸屋の件で名義を貸してくれるという。

扇屋

まず、亀屋の名であそこを買い取っちまうんだよ。その後、お前は屋からあそこを借りる形で商いを始めればいいって寸法さ

なぜ若旦那がこんな危なげな話に乗ってくれたのかと言えば、扇屋が場代のツケを帳消しにすると約束したかららしい。

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いったいどれだけ溜め込んだのやら。

蔦重

…けど、それって亀屋さんが買ったんじゃねぇって、すぐにバレませんかね

扇屋

んな細けぇことは、あとだあと!買い手が決まっちまったら、手も足も出ねえだろが

松葉屋の親父

まずはとにかく買っちまうことが大事ってことよ

扇屋と松葉屋、吉原を仕切る顔役二人が口を揃えて言うので、蔦重も

蔦重

まあ、そうか…

と納得せざるを得ない。

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扇屋

とにかく、この手のことは俺たちに任せとけ

と胸を叩く扇屋、丁子屋も

必ず、お前を日本橋に出してやっからよ!

と頼もしいこと。

親父たちは張りきって作戦会議を再開したが、蔦重は一様の不安を拭えないのであった。

べらぼう24話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:白天狗

田沼 意次

では今年の松前様のお花見はまだ

意次は、一橋邸にご機嫌伺いにきていた。

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お花見とは、松前家の江戸屋敷に大名たちが招かれて開かれる、あの悪趣味な酒池肉林の会である。

一橋 治済(家治のいとこ)

あやつが忙しいとやらでな。しかし蝦夷というのは厄介ぞ

治済は薄い竹片を口にあて、それに繋がっている紐を思いきり引っぱった。

ビョーンと音が鳴り、治済が

一橋 治済(家治のいとこ)

と破顔する。

ムックリという蝦夷の伝統的な楽器で、口琴の一種らしい。

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…いかようなところがにございましょう

田沼 意次

さりげなく探りを入れる。

一橋 治済(家治のいとこ)

なんだ。そなた、蝦夷に関心があるのか?

意次はギクリとした。

この白天狗の前では、ほんのわずかな隙も見せてはならない。

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田沼 意次

それは、こうしてお会いする機会も増えましたからには。
…それなりに、は

自分で聞いておきながら、治済は知らん顔でビョーンと不思議な音色を響かせるのであった。

べらぼう24話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:うまくいかない話

三浦(田沼の側近)

!それで、この蝦夷の鳴り物をくださったわけですか

意知は、先ほどから三浦が鳴らしているムックリを見やった。

三浦はすぐコツをつかみ、ビヨーンビョーンベンベベンベン……と響かせ方に変化をつける。

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意次はうるさくて仕方ない。

田沼 意次

やめい!

三浦(田沼の側近)

申し訳ございませぬ。つい楽しく

今日は、土山が上方から帰ってきた東作を伴って屋敷に参向していた。

田沼 意次

で、いかがであったのだ、上方は

意次がウズウズしながら東作のほうへ身を乗り出す。

蝦夷錦なども出回ってはおるようなのですが、商人側から抜荷の証を得るのはやはりなかなか難しいと申しますか

田沼 意次

こちらに寝返り、話をするようなものはおらぬのか

見返りに上知後の扱いを約束できれば話は違うかもしれませんが、下手に持ち出してはこちらの動きが痛れることにつながりかねませんし

田沼 意次

例の絵図のほうはいかがであったのだ。『抜荷』の場所を記した

残念ながらそれも。紀州様の蔵に収められたなどという噂はありましたが、いやぁ、嘘か真か

何一つ収穫はなかったわけだ。

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まるで悪びれない東作の態度がまた意次を苛立たせた。

田沼 意次

調子よく話しておるが、八方塞がりということか

実りがなく申し訳ございませぬ

恐懼して頭を下げる土山、この件を主導した意知も父に向ける顔がなく叩頭する。

が、東作は能天気にハタと膝を打った。

あ!ですが一人、蝦夷で廻船問屋をしておる村上という者とは懇意になりましてございます。今後力になってくれそうかと

意次はもはや相手にせず、意知と土山を相手に話を進めた。

田沼 意次

そなたら松前の家老に抜荷をさせるべく仕掛けておるとも言うておったが

田沼 意知(意次の息子)

はい。そちらこそは必ずや

意知はきっぱり言い切ると、さっそくその夜、大文字屋に上がって誰袖に事情を聞いた。

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べらぼう24話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:なかなか進まない話

田沼 意知(意次の息子)

何一つ進んでおらぬ

誰袖

へえ。先日いらした折にも…

松前廣年は、まるで暁珀のことなぞ忘れてしまったかのようであったという。

好きなものをやる。選んで良いぞ

誰袖の部屋に自作の絵をずらりと並べて悦に入っている。

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誰袖

絵も嬉しうござりんすが、あちらのほうは

業を煮やして誰袖がずばり踏み込むと、廣年はたちまちため息をついた。

花魁、やはり私がオロシャと直に取引することはできぬと思うのじゃ。琉珀を持ってくるオロシャといかにして取引をするものかは商人しか知らぬし

誰袖

裏切りそうな者に金を握らせ、聞き出されては?

なるほど。しかし、その裏切りそうな者はいかにして見つければよいのだ?

江戸の高名な日本画家に師事し、修業を続けてきたという絵の腕前は確かに見事だ。

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が、世渡りのほうは江戸に出てきた少年の頃からいっこうに上達していないようである。

誰袖

…あの様子では、直取引をなすところまで辿りつけるかどうか

と誰袖は嘆息する。

これが手詰まりになったらおしまいだ。

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なんとか方途を見いださねば…意知は考え込んだ。

べらぼう24話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:バレた

蔦重

どうにもうまくいかねぇ気もすんですよね

耕書堂の軒先で、蔦重は次郎兵衛と半次郎に親父たちのやり口について相談していた。

蔦重

仮に購し討ちで店は買えたとしても、商いを始めりやバレちまうわけですし

けど、例のアレ、吉原者は市中に家屋敷買っちゃなんねぇってのがあんだろ?

と半次郎。

蔦重

そうなんすよねぇ

公儀の目をくらまし、なんとか穏便に丸屋を手に入れる方法はないものか。

歌麿が

歌麿(唐丸)

実は丸屋は大の蔦屋品屓!とか、ねぇかなぁ

と本を並べながら言う。

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けど、丸屋にとって蔦屋は仇も同じだって聞いたぜ?

蕎麦屋でも噂になっているのか。

いよいよ絶望的である。

蔦重がガックリしていると、次郎兵衛が、店頭にズラリ並んだ草双紙に目をやって言った。

次郎兵衛(蔦重の義理の兄)

こいつの作る本だけは好きとかな

蔦重

お!いいですねぇ、それ!

…などとお気楽に笑っていられるのは、知らぬが仏、というやつである。

富は屋を潤し、徳は身を潤す。日本橋のためとなる方にお譲りできれば本望です

分厚い眼鏡をかけた、この生真面目そうな女子/丸屋の一人娘・ていは、店の買い手を探してくれるという鶴屋にきっぱり宣言した。

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吉原の蔦屋耕書堂だけは一万両積まれようともお避けいただきたく

店の一角には、丸屋の主力商品であった往来物が積み上げられている。

さて、それから数日後、店の買い取り話が進み、鶴屋と村田屋、そのほかの関係者が集まって証文を交わす段になった。

いやぁ、亀屋さんが来てくれりや、通りの格もますます上がるってもんですよ

村田屋の言う「亀屋さん」とは吉原からの刺客しそう、亀屋の若旦那である。

鶴屋(蔦重のライバル)

でも、茶問屋の方がなぜ通油町に。ここは釘屋と本屋ばかりの町ですが

さすがは鶴屋、手放しで歓迎する村田屋と違い、若干の違和感を覚えたようだ。

だが亀屋の若旦那もそう簡単には動じない。

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何しろ莫大なツケがかかっている。

ないところに出してこそだ、買って来いと親父が言いだしましてね

その時、じっと証文を読み込んでいた、ていの眉がピクリと動いた。

亀屋さん。一つよろしいでしょうか?

分厚い眼鏡の奥から、断固とした強い視線が屋の若旦那に向けられる。

ではなにゆえ、証文のお名前はお父上様ではないのでしょうか?

確かに。鶴屋はていの聡さに感心しつつ成り行きを見守った。

そこは親孝行ですよ。黙って買って親父を驚かせてやろうかとね

黙って?先ほど当のお父上が買って来いとおっしゃったと

すかさず追及され、亀屋の若旦那は急にしどろもどろになる。

一それは、言葉の綾ってえか

言葉の綾ではなく、語るに落ちたと言ったほうが正しい。

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鶴屋(蔦重のライバル)

もしや、吉原にツケでも溜まってます?

鶴屋は冷たく笑って言った。

べらぼう24話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:地元問屋とてい

翌日、地本問屋の会所に通油町の人々が集められ、部屋の前方に鶴屋と村田屋、そしてていが一同と向かい合う形で話し合いがもたれた。

これ、まことですか?吉原の連中が丸屋さんを騙そうとしたって

「吉原耕書堂丸屋買取一件二附状」という文書が回覧され、釘屋たちは騒然となっている。

ああ。別の奴立てて、買いにきたんだよ!

と村田屋。

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はぁ、そんな汚ねぇ手を使うんですかい!

鶴屋(蔦重のライバル)

相手は忘八です。
吉原にも蔦屋重三郎にも策を選ぶなどという考えはありませんよ

鶴屋は普段どおり穏やかに微笑みながら、これまた普段どおり吉原と蔦重を辛辣に誹謗する。

けど、蔦屋ってなぁ今、評判なんでしょう?

それがこっちに来るってなぁ悪くねぇんじゃねぇの?

中にはそんな意見も出たが、鶴屋はかぶりを振って一蹴した。

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鶴屋(蔦重のライバル)

お忘れかもしれませんが、安永七年冬には、吉原者は見附の内の家屋敷を買ってはならぬ、市中のほうも売ってはならぬとのお達しが出ております

「あ!そういやそんなの」

「するってぇと、どういうことになんだ」

と場がざわつく。

鶴屋(蔦重のライバル)

通油町は吉原者にしてやられた町。
町の格は下がり、『日本橋は日本橋でも通油町は』と言われることになるでしょうね

一同が押し黙ったところへ、村田屋が

おていさんからも皆さんにお願いするかい?

と水を向けた。

はい

とていが向き直ると、その生真面目な雰囲気ゆえか、一同の背筋がなんとなく伸びる。

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当家の不始末ゆえ騒動を起こしておりますこと、まずは心よりお詫びを申し上げます

折り目正しい挨拶を受けた一同は、なんとなく厳粛な面持ちになって会釈を返した。

『千丈の堤も、螻蟻の穴を以て潰ゆ』と申します

いきなり教訓めいた言葉を口にしたと思うと、ていの講釈が始まった。

立派な堤も蟻の巣穴をたった一つ許すことで、その内側より崩れゆく、韓非子の一説がございます。蔦屋重三郎の店というのは、まさにこの蟻の巣穴に当たるものにございましょう。この一歩を許す許さぬは町の命運を大きく左右すると考え…

鶴屋(蔦重のライバル)

とにかく一番の策は早急に買い主を見つけてしまうことです

長くなりそうなので、鶴屋が強引に割って入った。

ポカンとしていた一同が我に返る。

鶴屋(蔦重のライバル)

店を買いたいと言う方をご存知であれば、私のほうまで教えてください

べらぼう24話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:親父たちの考え

女郎屋りつ

とんだ藪蛇だよ。
若旦那がしくじったせいで、皆あのお達しのことも思い出しちまったってさ

りつはカンカンだ。

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扇屋が

扇屋

面目ねぇ

とうなだれる。

駿河屋の二階の座敷では、再び親父たちによる作戦会議が始まろうとしていた。

蔦重

…あの

蔦重が控えめに口を挟むも、

駿河屋市右衛門(蔦重の義理の父)

で、次、どうすんです

という駿河屋の濁声に消されてしまう。

蔦重は

蔦重

あの!

と声を張った。

蔦重

日本橋には吉原贔屓の馴染みも大勢いるじゃねぇですか。
そういう方たちに力を貸してもらうってなぁねぇんですか?

松葉屋の親父

そのあたり、ちょいと聞いてみたんだけどよ

とは、上客を大勢抱える大見世の松葉屋だ。

松葉屋の親父

建前があるかぎり、大っぴらにはって話でな

蔦重

んじゃ、丸屋に『ぜひウチに売りたい』って言わす手ってなねぇもんですかね

寝ぼけてんのか。お前のせいで潰れたような店だぞ

と丁子屋。

蔦重

そうなんですけど。早い話、相場の倍出すっていやぁ

扇屋

そりゃお前の借金が倍になってもいいってんならいいけどよ

扇屋が蔦重に思い出させてやる。

駄目元で

蔦重

そこは倍の分は親父様たちのご好意で、とか

と愛想笑いする蔦重に、再び「寝ぼけてんのか」と丁子屋。

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まあ、ちょいと夢見ただけである。

けど、なんかねぇもんかね。丸屋の女将さんが欲しくてたまらねぇもんとか

若木屋は

丸屋に「ぜひウチに売りたい」と言わす手

を考えていたようだ。

それをこっちが差し出せるってんなら話は違ってくるかもしんねぇだろ

誰もが欲しがるっていやぁ、不老長寿の薬とか

打ち出の小槌とか

などなど非現実的な意見が出る中、一人じっと思案していたりつがポツリと言った。

男?

親父たちが一斉に蔦重を見る。

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借金はひとまず脇に置き、いま江戸で一番の有名人、ちょっと調子に乗りやすいのがアレだが本屋の才覚と女ウケする顔面をもってすればー

蔦重

な、なんです?

お前が色じかけすりゃいんじゃねぇの?

そうだよ。お前さんが女将さんをベタ惚れさせりゃあさ

若木屋と大文字屋が真剣な顔で持ちかける。

蔦重

えっ!!!お、俺がですか

思わず肩に力が入った。

その青二才のような反応を見て、りつはすぐさま

女郎屋りつ

ごめん。忘れとくれ

と前言撤回、

松葉屋の親父

だね。ちょいと無理筋だ

と松葉屋も同意する。

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誘惑して騙すなんて器用なことができるなら、今ごろ蔦重の隣には元花魁の美しい妻がいるはずだ。

蔦重

待ってくだせぇよ。なんです、その見切り方

だってあんた見かけ倒しじゃないか

蔦重

俺、近頃わりに娘っ子にも人気あんですよ。江戸一の利者って

皆相手にせず「次どうします」「そうだな」と蔦重を帳の外に置いて話し合いを再開した。

蔦重

待ってくだせえよ!

しつこく食い下がると、丁子屋がうるさそうに振り返った。

お前、女落としたことあんのかよ!

蔦重

あんのかよ! なんの見知りもねぇ素人さんに言い寄って、落としたことが!

べらぼう24話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:丸屋の女将さんって?

蔦重

テメェらだって手近でまとまってるくせによ

ブツブツ言いながら耕書堂に戻ってくると、店先で歌麿が東作と話していた。

蔦重

お、東作さん。なんだか久しぶりじゃねぇですか?

歌麿が

歌麿(唐丸)

土産、もらったよ

と上方名物の塩昆布を見せる。

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蔦重

こりゃあ塩昆布よろこんぶ。上方行ってらしたんですか

野暮用でな。それよりお前、日本橋を手込めにしようとしてんだって?

蔦重

よしてくだせぇよ。んな言い方

顔をしかめつつ、蔦重はふと思いついた。

蔦重

東作さん、丸屋の女将さんってどんな人だか知りません?顔応えですよね

丸屋。丸屋は関わったこたねぇなぁ

蔦重

んじゃ、誰か女将さんのことよく知ってる人知りませんか?

重政先生あたりなら知ってんじゃねぇか?確か、丸屋と仕事してたはずだよ

東作は何かを見つけたようで

お。じゃあな

と大門のほうへせかせかと歩き去った。

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べらぼう24話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:誰袖の思うまま

誰袖に東作を引き合わされた廣年は、あきらかに戸惑っていた。

誰袖

知り合いに聴珀の取引に詳しい方を探してもらいんした。主さんが直取引をするのに役立つネタを教えてくださると

東作がずる賢そうにニヤリとする。

年は、こういった人種との交わりがないのだろう

花魁、まことにやるのか?抜荷は御法度であるし、万が一、兄上に漏れたりすれば

早くも腰が引けて誰袖にヒソヒソ耳打ちする。

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誰袖

まさかの折はわっちの名をお出しくださんし。わっちにそそのかされたと言えば、兄上様の怒りはわっちに向きんしょう?

良いのか、然様な

誰袖

主さんのためなら

花魁......

感動して誰袖を見つめる廣年。

手の上でコロコロ転がされていることには気づきもしない。

誰袖

では、どのようにオロシャに頼むか教えてもらいんしょう

誰袖がニッコリ笑顔で瞬時に切り替え、東作が立て板に水のごとくしゃべり始めた。

べらぼう24話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:一か八かの大勝負

田沼 意知(意次の息子)

…東作が話しておることはまことなのか?

隣の座敷では、例によって意知と土山が聞き耳を立てていた。

さあ。おおかた、上方で聞き齧ったことをつぎはぎしておるだけかと

田沼 意知(意次の息子)

よくもまあ、まことしやかに話せるものだ

山師にございますからな

襖の隙間から見える廣年は、東作の話が怖くて怖くてたまらない様子である。

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しかし、肝の据わらぬ男ですな。あの者が抜荷の手配などできますので

呆れる土山に、そんなことは想定済みだというように意知はうなずいた。

田沼 意知(意次の息子)

そう。ゆえにいっそ、あの男を餌に世にも肝の太い男が釣れぬかと思うてな

世にも肝の太い男?

田沼 意知(意次の息子)

おるではないか。あの者の後ろには、世の理など屁とも思わぬ無法者が

まさか、松前公に直取引をさせてしまうおつもりで

田沼 意知(意次の息子)

乗ってくるかどうかは賭けだがな

意知が考えついた、一か八かの大勝負であった。

べらぼう24話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:ひと芝居

松前家の江戸屋敷では、巨大な大男が庭の杭につながれ、咆哮のような悲鳴をあげながら逃げ回っていた。

まこと熊のごとき大男であることよ。
果たしてそなたは人か熊か確かめねばな

道廣が鉄砲を振り向けると、恐怖に耐えられなかったのだろう、大男は失神してしまった。

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部屋に戻ってきた道廣に、

一橋 治済(家治のいとこ)

どうやら熊ではなかったらしいの

と治済が笑いながら言う。

熊は鉄砲を向けられたごときで気を失いませんからな

と重豪。

これしきのことで。武士の風上にもおけぬ

松前家の家臣は、傲慢な当主の気まぐれで日々死の恐怖に晒されているようだ。

意次は、道廣の鉄砲を片付けている気弱そうな武士をひそかに見やった。

三浦(田沼の側近)

『ぬっぺっぽう』を思わせる、あの方ですかな

三浦が意次にそっと耳打ちする。

田沼 意次

まず、「ぬっぺっぽう」であろう

松前廣年は、意知が似顔絵代わりに二人に見せた、鳥山石燕描くところの『ぬつへつほふ』によく似ていた。

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しわの寄った肉の塊に短い手足がついた妖怪である。

三浦(田沼の側近)

では………
……えっ!

打ち合わせどおり、三浦が年を見て驚いた声を出す。

田沼 意次

どうした、三浦?

三浦(田沼の側近)

あ、なんでもございません

主従のやり取りが気になったようで、道廣が「なんだ、申してみよ」と三浦に命じる。

三浦(田沼の側近)

いやいや。大したことでは

大したことでないのなら、申せ!

気の短い道廣は声を荒らげた。

意次が

田沼 意次

三浦、申し上げよ

と促す。

三浦は、何者か知らぬ体で廣年に視線を向けた。

三浦(田沼の側近)

お叱りにならないであげてくださいまし。
それがし、先日あの方を吉原でお見かけし…

あやつを?吉原で?

意次と三浦が打った大芝居に、道廣はまんまと騙された。

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お前、家者の分際で、吉原で湯水のごとく金を使っておるのか

今度は廣年を杭に繋ぎ、鉄砲を手に詰問する。

自分は女郎を妾にして派手に遊んでいるくせに、弟が吉原に出入りするのは許せないらしい。

お、お家の金には手をつけておりませぬ

道廣が銃を構えた。

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もはや生きた心地がしないのだろう、廣年の足はガクガク震えている。

女、女郎にそそのかされまして!

道廣が鉄砲の火蓋を切る。

同時に廣年は気を失っていた。

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べらぼう24話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:藁にもすがる思い

色仕掛けをあきらめた蔦重は、丸屋の女将について情報収集することにした。

北尾 重政(絵師)

要するに、丸屋の女将さんを落とせねぇかって話か

まずは丸屋でも仕事をしていたという重政を呼び出し、町を並んで歩きながら話す。

蔦重

へえ。手に入れたがってるモンとか、叶えてえ望みとか。こ
ちらがそれに応えられますよって示せば、ウチに店を売ることを考えちゃもらえねぇかと

そこへ

あの、蔦重さんじゃないかい?

と声をかけられた。

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振り向くと、桶屋の店先でたむろしている中年増の三人組が、若い娘のようなキラキラした目で蔦重を見ている。

やっぱり!やっぱりそうだよ!

私のこと、本買いに行ったんだけど覚えてるかい?

日本橋移るってホントかい?

などと言いながらグイグイ寄ってきて、たちまち蔦重を取り囲む。

蔦重

そういきてぇとこなんですけど

待ってるよ!旦那衆はうるさいけど私たちは味方だからね!何かあったら言っとくれよ

と最初に声をかけてきた女が近くの桶屋を指差す。

そこの女将らしい。

蔦重

かたじけナスビ、お頼みしナスビ!

盛り上がっている三人に愛想を振り撒きつつ、蔦重は重政と一緒に再び歩きだした。

北尾 重政(絵師)

時の人だねぇ

蔦重

丸屋の女将さんもあんなふうだったりしねぇですかね

北尾 重政(絵師)

ああいう手合いじゃなかったような

と重政は小首を傾げた。

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北尾 重政(絵師)

俺が仕事してたのは親父さんのほうだからよ。娘のことはさして知らねぇのよ

思わずため息が痛れる。

蔦重

娘さんのこと詳しい人っていってぇどこにいるんです

北尾 重政(絵師)

そりゃ通油町だろ。あとは…寺?

蔦重

寺?

北尾 重政(絵師)

親父さん、ウチの娘は漢籍が読めるって自慢してた覚えがあんだよ。女だてらに手ほどき受けてるって

蔦重

それ、どこの寺ですか?

藁にも縋りたい蔦重であった。

べらぼう24話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:てい

蔦重

合ってんのかなぁ。この寺で

丸屋が檀家だったという寺にやってくると、本堂のほうから話し声が聞こえてきた。

大変なことになったねぇ。おていちゃん。いや、今は丸屋さんか

見ると、和尚が分厚い眼鏡をかけた女子と話をしている。

蔦重

.......あれが

年の頃は三十路手前、蔦重より三つ四つ下くらいか。

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ピシリと伸びた背筋が目につく。

白塗りの化粧で男にしなだれかかる吉原の女郎たちを見慣れている蔦重の日には、ていは異質で、ある意味新鮮に映った。

女郎たちが華やかな花だとしたら、ていは硬い松ぼっくりというところか。

話がよく聞こえる場所で身を潜める。

ていと和尚の間には、丸屋のものだろう、往来物や子供用の赤本などが積み上がっていた。

かようにたくさん、良いのかい?

仏様の前で少々憚られますが、捨てる神あれば拾う神ありと申します。私にはもうこの本を屋に出すしか手はありません。しかし、層屋に出せば本は本ではなく、ただの紙屑と成り果てます。それは本の身となれば、まこと不本意にございましょう

本屋の姫は、本への愛着が人とは違うようだ。

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蔦重は興味を惹かれて耳をそばだてた。

けれど手習いの子らの手に渡れば、本としての務めを立派に果たすことができます

ていは積み上げた一冊を手に取り、まるで巣立っていく我が子であるかのように誇らしげにその本を掲げて見せた。

子らに文字や知恵を与え、その一生が豊かで喜びに満ちたものとなれば、本も本望。本屋も本懐というものにございます

その刹那、蔦重の脳裏に

「書を以て世を耕すんだ」

という源内の言葉が浮かんだ。

蔦重

おんなじじゃねぇか…

蔦重の口から思わず呟きが痛れる。

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そのあいだにも、和尚とていの話は続いている。

親父さんも、本のあるなしで一生は天と地ほど変わるって言ってたねぇ

父の口癖にございました

その眼鏡もねぇ。このままじゃおていが本読めなくなる!てえへんだ!って大騒ぎして。何度も何度もあつらえ直してねぇ

和尚は懐かしそうに目を細めた。

だがその思い出話は、ていにとって心痛むものだったらしい。

…まことに情けのうございます。そこまで大事に育ててもらいながら、私のしたことと言えばロクでもない夫と一緒になり、丸屋を傾け、盛り返すこともできず。いったい、私はなんのために生きておるのかと

ギュッと拳を握るていの無念が、蔦重には自分のことのように感じられた。

おんなじだ。

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朝顔、瀬川、源内、恩を受けた人たちに何もできなかったと梅やんだ自分と。

申し訳ございません。益体なき愚痴を。では、和尚様。なにとぞよろしくお願いいたします

ていは和尚に頭を下げて立ち上がった。その日が、ぼんやりていを見ていた蔦重の日と合う。

ていは蔦重に会釈して前を通り過ぎ、外で待っていた手代らしき男と去っていく。

蔦重はなぜか、竹のようにまっすぐ伸びたその背中から目が離せなかった。

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べらぼう24話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:明日乗り込む

歌麿(唐丸)

重政先生に聞けた?丸屋の女将さんのこと

耕書堂の前で夜空を見上げていた蔦重に、歌が聞いてくる。

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まさにていのことを思い返していた蔦重はハッと我に返った。

蔦重

おう、拝んできたぜ。女将さん、本人を

歌麿(唐丸)

え!どうだった?

蔦重

…あの人の望みはたった一つしかねぇんだよな

またていのことに思いが飛んでいこうとした時、駿河屋と肩屋がやってきた。

駿河屋市右衛門(蔦重の義理の父)

重三郎。明日、乗り込むぞ

駿河屋が言い、扇屋が数枚の証文を蔦重に見せる。

蔦重

これ、丸屋の証文じゃねぇですか!

駿河屋市右衛門(蔦重の義理の父)

おう。ツテを手繰って丸屋の証文を買い上げたんだ。これであの店に明け渡しを迫ることができんだろ。まあ、あまり上品な手じゃねぇけど、買い手が決まっちまうとおしめえだからな

蔦重

......でさあね。合点承知の助にごぜえやす!

二人に笑顔で答える一方で、蔦重は腹案を練り始めていた。

べらぼう24話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:吉原もん

日本橋通油町には、まるで一同が乗り込んでくるのを予期していたかのように

「吉原者出入無用」「吉原者お断り」

などと書かれた立札がズラリと並んでいた。

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松葉屋と扇屋は

松葉屋の親父

ここまでやるかね

扇屋

まぁ、ご苦労なこった

と強気を装っているが、白昼堂々地に乗り込んだほかの親父たちは浮き足立って軽口すら叩けずにいる。

蔦重は立札を抜き、サッと手を出して

蔦重

お進みくだせぇ

と一同を促した。

親父たちが進んでいく。

たちまち

「あれ」「吉原もんか?」

というヒソヒソ声が聞こえてきた。

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周囲の白い眼に晒されながら、蔦重は立札を担ぎ、勇んでしんがりを務めた。

べらぼう24話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:当たって砕ける

さて、敵陣・丸屋では、店の売買契約が交わされようとしていた。

鶴屋(蔦重のライバル)

この度は急な話をお受けくださりありがとうございます

鶴屋が見つけてきた買い主は、上方の書肆・柏原屋である。

いえ、江戸に店を出す話は、店の内では前からありましてな

線形屋の橋板騒ぎで苦い思いをしたこともあるが、恋川春町、山東京伝、大田南畝、江戸で生まれた新しい文学の風はもはや無視できないところにきている。

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よかったねぇ、おていさん。ここが書物問屋になるなんてさ

と村田屋。

父は漢籍も好んでおりました。草葉の陰で喜んでいることと存じます

その言葉とは裏腹に、ていの表情はどこか憂いに沈んでいた。

鶴屋(蔦重のライバル)

私もそう思います。では始めましょうか

鶴屋が手続きを始めようとした時だ。

ガラッと戸が開き、

ちょいと待ったぁ!

と威勢のいい丁子屋の声が響いた。

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驚いて振り返ったていに、鶴屋が

鶴屋(蔦重のライバル)

吉原の方々ですよ

と冷めた声で教える。

お前ら誰に断って入ってきてんだ!

村田屋や手代のみの吉らが阻止しようと向かっていくも、そこは場数を踏んだ吉原の親父たち、

「ごめんなすって」

「すぐ済みますからね。悪いね」

などといなしつつ店に押し入り、最後に立札を担いだ蔦重もひょいひょいと中に入ってきた。

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こうした図々しさに馴染みのないていは、半ば珍しげに

これが吉原者…

とポツリ呟く。

鶴屋(蔦重のライバル)

これはこれは遠路はるばるようこそお越しくださいました

ずらりと居並んだ親父たちに、例によって無礼に挨拶する。

駿河屋市右衛門(蔦重の義理の父)

おう、年とんねぇな。赤子面

まずは駿河屋が一発。鶴屋はうっすら笑みを浮かべ

鶴屋(蔦重のライバル)

おかげさまで。皆さんはそろそろ隠居をお考えになってもよろしいのでは?

とやり返す。

松葉屋の親父

あぁ、日本橋に出られたら考えようと思ってるよ

松葉屋がやんわり返したところで、ここが潮時と扇屋が、ていに向かって言った。

扇屋

女将さん。わりいけど、その取引はなしにさせてもらうぜ

言うが早いか、どうだと言わんばかりに買い集めた証文を見せる。

扇屋

もうこの店のいくらかは俺たちのもんになってんだよ

ところが鶴屋はいっさい動じることなく、

鶴屋(蔦重のライバル)

そうですか。実はそれは私どもも同じでして

と別の証文を出してきた。

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鶴屋(蔦重のライバル)

丸屋さんは町の講からも借りておられたんで。
これしきのことは日本橋の商人なら誰でも思いつくんですよ。
でも、やらないんです。
これは座頭や無法者、あなた方『忘八』のやり口だからです。
あなた方は日本橋にふさわしくない
[

想定外の反撃に親父たちがグッと詰まった時だ。

蔦重

けど、ウチは丸屋さんの暖策は残しますよ!

ていが驚いて声のほうを見ると、吉原一団の後方から、立札を担いでずかずか向かってくる男がいる。

言わずもがな、蔦重である。

......寺の

蔦重

へえ。改めまして、お初徳兵衛、蔦屋重三郎と申します

蔦重は二カっと笑い、

蔦重

改めて考えたんですが、いっそ、丸屋さんとウチとで一つの店にしちまえばいいんじゃねえかって

そんじゃ蔦屋が日本橋に出たってことにゃならねえだろ

若木屋の言い分に、ほかの親父たちもうなずいている。が、蔦重もそこのところは考えた。

蔦重

堂号さえありゃ伝わりまさね。たとえば『丸屋耕書堂』ってしちまって

おていさん、騙されちゃなんねぇよ!

村田屋が血相変えて吠えたてた。

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どうせ時を見て蔦屋に変えるつもり…

蔦重

しませんよ、んなこと

蔦重は村田屋の話をぶった切り、改めてていに向き直った。

蔦重

どうです、女将さん。この際、一緒に本屋をやりませんか?
女将さんは、本当は店続けてえんじゃねぇですか?

あんなに本好きで親孝行な娘だ。

店を手放したくないに違いないと蔦重は確信していた。

…お受けしかねます。父もお達しに背くような真似は喜ばぬと思いますので

蔦重

そうですか。じゃあ…いっそ俺と一緒になるってなあどうです!

ていはもちろん、鶴屋、村田屋、吉原の親父たち、全員口を半開きにして蔦重を凝視している。

女を騙すのは冥利が悪いが、正面から堂々と攻めるならおてんと様に恥じることはないー

などと野幕天なりに知恵を絞った蔦重であるが、実は心臓が喉から飛び出さんばかりに緊張している。

蔦重

店屋敷の売り買いは難がありますが、縁組は実は禁じられちゃいねぇ。
それならお達しには背かねぇし、一緒に店をやるのも当たり前。
お互い独り身ですし。どうです?

求婚ではなくもはや交渉である。

一同が固唾を呑んでいると、ていの手がキュッと結ばれた。

いけるか?

蔦重と親父たちの期待が高まる。

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が、りつだけはなぜか心配そうだ。

…男やもめに蛆が湧き、女やもめに花が咲くと申します

やっとていが口を開いた。

蔦重

そう、ここは一つ花を咲かせましょうよ

脈ありと踏んだ蔦重が調子づく。

花の咲かぬ女やもめは縁組をちらつかせれば食いつくとでも!どれほど落ちぶれようと、吉原者と一緒になるなどありえません!

とんだ見当違い、蔦重はていの逆鱗に触れて見事、当たって砕けたのであった。

べらぼう24話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:べらぼうな蔦重

結局丸屋は柏原屋が買い取ることになり、気落ちした吉原一同はまっすぐ帰る気になれず、市中の居酒屋に入った。

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あんな話、日本橋の女が受けるわけねぇだろが!

蔦重

けど、ちょいといけそうだったじゃねぇですか!

丁子屋と蔦重が言い争う横で、大文字屋はしつこく

親父があんなこと言いださなきゃ

と愚痴り、駿河屋に

駿河屋市右衛門(蔦重の義理の父)

うるせえよ

と睨まれる。

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これで悪酔いしないわけがない。

蔦重

そもそも証文だってしくじって

蔦重がなおも丁子屋に言い募っていると、黙って杯を重ねていた扇屋が怒鳴つた。

扇屋

うるせぇんだよ!黙りやがれ!

誰より落ち込んでいるその様子に、みな何も言えなくなってしまった。

松葉屋の親父

けど、なんだって店一緒にやろうなんて考えたんだい?

松葉屋が蔦重に聞く。

蔦重

ちょいと探ってみたら、丸屋の女将さん、店を潰した自分が不甲斐なくてならないってふうだったんで。あの形なら乗ってくんじゃねぇかって思ったんですけど

やっぱり気が変わったってなんないかねぇ、女将さん

若木屋は望みを捨てきれないようだが、りつには思ったとおりの結果だったらしい。

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女郎屋りつ

芸者衆から聞いた噂なんだけどさ、まえの旦那ってのは女将さんにそりゃ熱心に言い寄ったらしいよ。
行き遅れだった女将さんは、その話に飛びついたんだって。
このままじゃ体裁も悪いし親も安堵させたいし。
ところが旦那は三月もしないうちに吉原通い始めて

駿河屋市右衛門(蔦重の義理の父)

初めから遊ぶための金狙いだったってことか?

と駿河屋。

蔦重は、ていのピンと伸びた背を思い出した。

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男を見る目がないと言えばそれまでだが、ていは心にもない優しい言葉を真面目に受け止め、ついほだされてしまったのだろう。

蔦重

ロクでもねぇ男だな

吐き捨てる蔦重に、りつが思いがけないことを言った。

女郎屋りつ

あんたはそのロクでもねぇ男と同じに見えたんじゃないかねぇ

蔦重

.....え?

女郎屋りつ

女将さんからすりや、また、男が自分の独り身につけ込んできたとしか思えなかったんじゃないかい?

まちげぇねぇー親父一同、納得の表情で蔦重を見る。

蔦重

俺、べらぼうもべらぼうじゃねぇですか!

己のあまりの間抜けさに酒の酔いも吹っ飛んだ蔦重であった。

べらぼう24話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:賭けに負けたか

同じ頃、意知は誰袖に様子を聞くため、大文字屋に足を運んでいた。

田沼 意知(意次の息子)

あれ以来、ご家老からの音沙決はなしか

誰袖

文は出しておりんすが、おいでは梨の切り口で

廣年に橋渡しなどという大役は無理なので、ああいう形で道廣を巻き込もうとしたのだが…。

田沼 意知(意次の息子)

松前殿に叱られ、吉原に関わるなということになったか

賭けは負けに終わったか。

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難しい顔で考え込む意知に、誰袖がすり寄ってきた。

誰袖

いつも蝦夷のお話ばかり。んふ。せっかくいらしたのでありんすし

田沼 意知(意次の息子)

さようなことは身請けのあとでよい

誰袖

晩ばかり憂きものはなし、いちゃつきばかり好きものもなし

誰袖が意知に迫る。

その時、襖が開いた。

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遣り手の志げだ。

二人が陸み合っているように見えたのだろう、すぐに「ご無礼」と戸を閉めようとする。

田沼 意知(意次の息子)

良いぞ、なんだ!

意知が怒鳴りつけるように言う。

ご、ご家者様がお越しでございますが、今日は兄上様もご一緒で

意知と誰袖はハッと顔を見合わせた。

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賭けはまだ終わっていないようである。

べらぼう24話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:勝った!

廓遊びを楽しんでいる兄をよそに、廣年はソワソワと落ち着かない。

誰袖

主さん。これはただのお遊びで?

…いや、その

誰袖が廣年にこっそり事情を聞き出そうとした時、新造や禿たちと賑やかに遊んでいた道廣が二人のところに戻ってきた。

遣り手。大文字屋を呼んできてくれるか?ああ、それからあやつの敵獄だけ残し、人払いを

これはもしかしたら!

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誰袖と、隣の部屋から覗いていた意知が同時に息を呑む。

意知が手に汗握る思いで待っていると、しばらくして大文字屋がやってきた。

この度はご家老様のみならず、松前のお殿様にまでお上がりいただきまして。まことにありがとうございます

ふん、お前、花魁が暁珀の直取引を企んでおったことは知っておるか

短気な道廣は、盃を手に前置きなく切りだした。

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へ?わ、私はご家老様を通し、住吉屋様に琉珀をお願いできないかと

花魁は此奴をそそのかし、住吉屋を通さず直取引とし金を抜こうと仕組んだそうじゃ

花魁。なんてことを

誰袖

お許しくださんし!主さん会いたさに魔が差しんして!

二人とも、何も知らなければ意知も騙されたであろう迫真の演技である。

物知らずの女郎がしでかしましたこと!
今後かようなことがなきよう、きつく言って聞かせますので、どうかお許しを!

いや。いっそ、それをわしとお前でやらぬか

道廣は企むような笑みを浮かべ、大文字屋のほうへグッと体を傾けた。

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松前家と吉原でひとつ、琥珀で大儲けせぬかという話だ

勝った!

意知は拳を握りしめた。

ふと気づくと、誰袖が気づかれぬようこちらを見て微笑んでいる。

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意知のほうは、これまで誰袖に愛想笑いの一つさえ見せたことがない。

意知は、初めて誰袖に微笑み返した。

べらぼう24話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:大地揺るがす鳴動

こうして春が過ぎ、瞬く間に夏がやってきた。

日本橋の話は消えてなくなり、蔦重は日常に戻って、耕書堂は今も五十間道にある。

次郎兵衛(蔦重の義理の兄)

まあ、こうやって皆で仲良く蕎麦を食えるってことで

そうそう。市中にや『つるべ蕎麦』はねぇしな

次郎兵衛と半次郎のおしゃべりを、歌麿が笑いながら聞いている光景もいつもどおりだ。

蔦重

…おし。ちょいと行ってくら

蔦重は一足先に蕎麦を食べ終えて立ち上がった。

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だからと言って、このままじっとしているのは性に合わない。

蔦重

須原屋さんに江戸の外の本屋教えてもらおうと思ってよ。
こうなりやこっちから本担いで売り込みよ

その時、地響きがして地面が揺れた。

幸い揺れはすぐに収まったが、

次郎兵衛(蔦重の義理の兄)

近頃多いよなぁ、これ

歌麿(唐丸)

なんなんでしょうねぇ

と半次郎と歌麿は不安そうに話している。

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無理もない。

この年の夏はいつまで経っても肌寒く、袷の羽織を引っぱり出す日もあるほどで、何やらおかしな具合なのである。

浅間山が火い噴いとるらしいんですわ

突然の声に振り向いた蔦重は、そこに立っていた旅人に目を見張った。

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蔦重

…柏原屋さん

蔦屋さん。ウチからあの店買いまへんか?

大地揺るがす鳴動は天変地異の前触れか。

さてさて吉原大門前の蔦屋耕書堂、蔦屋重三郎のこの先の命運やいかにー

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べらぼう次回放送

次回のべらぼうネタバレ第25話はこちら

【べらぼう21話】ネタバレとあらすじを吹き出しで解説!5月25日放送(2025年大河)
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べらぼうのネタバレとあらすじ:一覧

2025年5月

2025年6月

【べらぼう】ネタバレ&あらすじ 吹き出しで最終回まで読みやすく解説
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【べらぼう 6月】あらすじ一覧

第22話 6/1 (日) 小生、酒上不埒にて
第23話 6/8(日) 我こそは江戸一の利者なり
第24話 6/15(日) げにつれなきは日本橋
第25話 6/22(日)
第26話 6/29(日)

べらぼう24話:筆者の見解

見返りさん

放送後に記載いたします~!

大河ドラマ べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~ 蔦屋重三郎とその時代 (TJMOOK) [ 鈴木 俊幸 ]

↓↓↓

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