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【べらぼう22話】ネタバレとあらすじを吹き出しで解説!6月1日放送(2025年大河)

【べらぼう22話】ネタバレとあらすじを吹き出しで解説!6月1日放送(2025年大河)
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2025年NHK大河ドラマ「べらぼう」の第22話(6月1日放送)ネタバレ&あらすじ読みやすい吹き出し形式で記載します!

蔦重

歌のやつの様子がおかしいぜ……

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目次

べらぼう22話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:ごもっとも

でよ、この天照大神ってのがそりゃもうドラ息子なわけよ。遊ぶ金欲しさに三種の神器も質入れなんかしちゃってよ。で、勘当されて孔子んとこに転がり込んでるってわけさ

歌麿に店の仕事をまかせ、蔦重は唐来三和の馬鹿話に大笑いしています。

三和は先日の「うた麿大明神の会」で燕十と一緒にいた、武家なのか町人なのか正体不明の酔っ払いです。

蔦重! 俺も義兄弟にしてくれよ!

などと絡まれたのには閉口したが、この男、めっぽう面白いのです。

そこにお釈迦さんがやって来て、ヤァヤァって御神酒を飲んでいるうちにちょいと行くかってお三方連れ立って吉原によ

蔦重

くだらねぇ

またも大笑いさせられます。

へへ。馬鹿言ってたら、腹へっちまった

蔦重

おぅ。歌。ひとっ走り行って、蕎麦」 

なぜか歌麿は返事もしません。

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仕方なく寄っていき、

蔦重

歌、蕎麦

ともう一度声をかけます。

蔦重、三和さんもいいけど、春町先生のこれ、どうすんだよ

歌麿は、春町が折った筆に目をやります。

あれから十日だよ。そろそろ声かけにいったほうがいいんじゃねぇ?

ごもっとも。

しかし、春町の酒乱を思い出すと面倒くさそうで気が進みません。

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蔦重

まだ十日だろ。もうちょいと時を置いても

まさか三和さんが現れたから、もう春町先生はいいとか思ってねぇよな

蔦重

……それは思ってねぇよ。思うかよ! んな

蔦重にそう思われてるって春町先生が思わねぇためにも早いほうがいいと思うよ

ごもっとも、ごもっともである。

べらぼう22話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:鬱な春町先生

春町は沈んでいました。

どん底まで沈みきって、一人で文字を書いていました。

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紙の上には「屁」の文字が延々と続き、やがて「尸」だけ書いて手を止め、物思いに耽ります。

と、そこに家人が来て、来客を告げました。

重い腰を上げた蔦重です。

蔦重

どうもどうも。お忙しいところ、お邪魔の介にございます

恋川 春町

なんの用だ

蔦重

あ! へぇ。こちら喜三二先生の新作なんですが、画付けをお願いしたいと思いまして。
それから、お願いしていた新しい戯作のほうをそろそろ

恋川 春町

筆を折ると伝えたと思うが

蔦重

またまた。ありゃ、座興でしょ

恋川 春町

本気だ

蔦重

やっぱり……

蔦重は内心でため息をつきました。

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相当こじらせているようです。

蔦重

……あの、もしあの時のこと気にしてらっしゃるのなら、でぇじねぇですよ。誰も気にしてませんから。
みな帰る頃には『それにしても春町先生は面白かった』
『酒を飲むとああなるのか』って。
またご一緒してぇって言ってましたよ

恋川 春町

あいにく拙者のほうがあのような者らと席を共にしたくないのでな。
お引き取りを。ではな

そう言ってさっさと先に座を立ってしまいました。

いくら大事な作家でも、黙して流せないこともあります。

蔦重

ちょいと! ちょいとお待ちくだせぇ

慌てて追いかけ、春町の先に回り込みます。

蔦重

あのような者ってな、さすがにねぇんじゃねえですか?
ちょいと酔ってましたけど政演は歌詠んでって言っただけで、いきなり食ってかかったのは先生のほうじゃねぇですか。
青本が元ネタを引っ張ってくるのは当たり前のことですし、盗人呼ばわりされちゃ、政演もちとかわいそうだと思いますよ

そう、それも要が重かった理由の一つです。

蔦重

南畝先生も。評判記は戯れに始めたお遊びだって断り書きだって入れてんですし。ただの遊びにそうカッカしなくても

恋川 春町

......そうなのだろうな。
ただの遊びに拙者一人がカッカきておるのであろうな

またそんないじけた言い方をします。

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それでも蔦重は辛抱強く説得を続けます。

蔦重

いや、俺だって悔しくねぇわけじゃねぇですよ。北尾政演こんちくしょう!とは思ってますよ。だからこそ、新作で見返してやろうじゃねぇですか。ね!

恋川 春町

向いておらぬのだ

蔦重

は?

恋川 春町

俺は……戯けることに向いておらぬのだっ!

怒鳴りつけるように言い、蔦重を押しのけて出ていきます。

蔦重

誰もそんなこと言ってやしねぇでしょう!

春町の度の過ぎたこじらせ具合に蔦重はほとほと呆れてしまいました。

べらぼう22話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:歌と蔦重

蔦重

俺の言い方が上手くなかったのかねぇ。
けどまぁなんてえかいちいち考えすぎってぇか

耕書堂に戻ってきた蔦重は、ため息交じりに歌麿に報告しました。

でも、そこが春町先生の良いところじゃねぇの?

蔦重

そうなんだけどよ。歌、これの画付け、頼まあ

持って帰ってきた喜三二の草稿「長生見度記』を、そっくりそのまま歌麿に渡します。

蔦重

まぁさんの新作で画は春町先生に頼もうと思ってたんだけど。あの調子じゃ、正月には間に合いそうもねぇし。一つ、春町風で頼まぁ

べらぼう22話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:誰袖

そこに大文字屋がやってきました。

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誰袖から話があると言って、蔦重を吉原に連れていきます。

取り残された歌麿は、『長生見度記』の原稿をめくります。

「友人恋川春町が作りし無題記をよみつつ、とろとろとまどろみし夢のうち」…

春町への友情が伝わってくる、喜三二の序文でした。

蔦重

なんなんです?誰袖花魁が俺に聞きてえことって

蔦重は仕方なく大文字屋についてきたものの、いったいなんの話やら悪い予感しかしません。

大文字屋カボチャ

そりや例の身請けしかねぇんじゃねえの?

張り見世の隣の広間で大文字屋と話していると、いきなり背後からガシッと腕を組まれました。

兄さん。お待ちしておりんした

誰袖だ。

そのまま離れたところに引っ張っていかれます。

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ますます悪い予感しかしません。

兄さんが抜荷の証というのを立てるならどうしんす?

蔦重

ぬ、抜荷?

悪い予感の斜め上をいく内容です。

誰袖がすばやく蔦重の口を手で塞ぎ、

へえ。ちょいと手すさびに青本を書いておりんして

とニッコリ笑います。

蔦重

青本?お前が?

ええ。わっちも戯作者になれんせんかと

昔っから芝居がかっていた奴だが、はたして本など書けるのか?

蔦重は半信半疑ながら、面白そうではあるのであれこれ考え始めました。

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その時、大文字屋を探していたらしい志げが奥から急ぎ足で出てきました。

ああ、旦那様旦那様、いま差し紙が入ったんですけど、松前のご家老様がお見えで

松前のご家者と耳にした瞬間、誰袖の目が大きくなりました。

松前公の弟君とのことで、できれば格のある花魁で願いたいって話で

松前公の弟君誰袖の目がさらに大きくなります。

蔦重

抜荷の証。抜荷…

蔦重がブツブツ言いながら考えていると、誰袖が

誰袖

あ!思いつきんした!

と急に声をあげ、志げに

誰袖

それ、わっちが参りんすー!

と言いながら小走りに去っていったのでした。

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べらぼう22話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:春町の説得

歌麿(唐丸)

すいません。付き添ってもらいまして

翌日、歌麿は喜三二と春町の屋敷を訪ねました。

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蔦重には、喜三二と『長生見度記』につける絵の打ち合わせをするとだけ言ってあります。

朋誠堂 喜三二 (平沢)

いい、いい。俺も春町のこた気になってたからよ

喜三二がふと見ると、春町の机の上には何やら書き付けが置いてあります。

「恋」「川」「春」「町」を偏にして「失」を旁にした、見たことのない漢字の羅列です。

朋誠堂 喜三二 (平沢)

なんだこりや。

喜三二が首を傾げていると、春町が部屋に入ってきました。

恋川 春町

…何しにきたんです

朋誠堂 喜三二 (平沢)

あ、ああ。ちょいとお前さんの許しを得たい話があってさ。俺のこれ、お前さんの『無題記』を元にしたおっかぶせなんだけど、怒んない?

歌麿(唐丸)

俺もこれに春町風に画をつけろって言われたんですが、真似て良いですか?

喜三二と歌磨がそれぞれ許可を求めます。

恋川 春町

そんなもの、勝手にすればよかろう

春町から冷淡な返事が返ってきたが、歌麿はあえて説得にかかりました。

歌麿(唐丸)

あの、画だけならつけてくださったりしません?青本好きの人は皆、楽しみにしてると思うんですよ。久しぶりの喜三二作、春町画の組み合わせ

恋川 春町

勝手にすればよい

とプイッとそっぽを向きます。

歌麿(唐丸)

…分かりました、んじゃ真似させてもらいますけど

と喜三二の草稿を広げ、

歌麿(唐丸)

まずここ!春町先生ならどんな画をつけます?

なんせ敵は天の岩戸の天照大神。

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頑なに閉ざした心をこじ開けようと、歌麿もあの手この手を考えてきました。

恋川 春町

だから勝手にせよと

歌麿(唐丸)

そうはいきませんよ。春町そっくり!が、蔦重の指図ですから

恋川 春町

そなたもいやにならぬのか?蔦重の都合で人真似ばかりさせられ。…もっと己の色を出した絵をとは思わぬのか?人真似ばかりでは面白くなかろう

歌麿(唐丸)

…己の内から出てくる仙って、あまり良いものになる気もしねぇんですよね。俺に限っちゃ

歌麿の身の内には、炎の中で母親の手を振りほどいた鬼の子が住み着いているからです。

朋誠堂 喜三二 (平沢)

そういうお前さんはどうなんだよ

見かねたのか、喜三二が横から口を挟みます。

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朋誠堂 喜三二 (平沢)

筆折っちまったら己の画もへったくれもなくなっちまうだろ

恋川 春町

.....世はもう俺のことなど、求めておらぬではないか

政演の「御存商売物」を読んで衝撃を受けた春町は、矜持を根こそぎ崩されたのでした。

恋川 春町

『盗人』などと言ったが、あれは負け惜しみだ。『御存』は『辞闘戦』の百倍よく出来ている。政演に比べると俺は絵は下手だし書き入れも重い。あれを読んだ時、引導を渡された気がしたのだ

本音を語る春町はなんだか弱々しい子供のようで、喜三ニはかわいそうでなりません。

朋誠堂 喜三二 (平沢)

何言ってんだよ!『無題記』だって描けたじゃないか

恋川 春町

あれは皆がくれたとびきりの案思のおかげだ。あれだって政演が手がけたなら倍も面白くなったであろう

歌麿(唐丸)

けど俺は春町先生の絵、好きですよ

飾りのない、まっすぐな歌麿の言葉に春町はうつむき加減だった顔を上げました。

歌麿(唐丸)

どこか量の絵のような味が残っていて…。上手い下手じゃなく、好きです

紛れもない歌麿の本心です。

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喜三二は

朋誠堂 喜三二 (平沢)

だよなぁ!

とパッと表情を明るくしました。

朋誠堂 喜三二 (平沢)

みんなお前がやるこた好きなんだよ。面白えから真似したくなんだよ。鶴屋さんだって政演だって、だからこそおっかぶせたんだと思うよ。筆を折るなんて言うなよ。俺や寂しくてならねぇよ

歌麿(唐丸)

あ、分かります、寂しい!なんか寂しいんですよ。正月の新作の中に『恋川春町』って名が見えねぇと。「御存』には地口の化け物が出てこねぇじゃねぇですか。俺やあれ寂しかった

朋誠堂 喜三二 (平沢)

分かるぞ! あいつらがよかったのに!

熱く「地口の化け物」について語る二人の様子に、春町の目頭も熱くなってきます。

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恋川 春町

…俺のような辛気くさい男がいてよいのか。明るく戯けることこそ上々の、笑いの場に

震える声で尋ねる春町に、喜三二と歌麿は優しく微笑んだのでした。

べらぼう22話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:皮肉がうまい

その頃、耕書堂には南畝と菅江、そして木網が来ていました。

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こちらは本の打ち合わせです。

えっ! 春町先生、やめるってなんで?

ひょっとして上野の会の時のアレかい?

えー。なんかあったっけ

菅江と木網の話を聞き、蔦重は例の青本や狂歌指南書の下書きに目を通しながら

蔦重

そんなモンですよねぇ。周りは

とため息をつきます。

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すると、南畝が言います。

大田 南畝

そうか?俺はあの歌、忘れられないけどな

蔦重

あ、先生はお怒りで

大田 南畝

怒ってなんかないさ。ただ春町先生ってのは、こんなに皮肉がうまかったのかって、意外で忘れられんのだ。
今まで描かれるものにあまり皮肉屋な面はうかがえなかったのでな

皮肉。

蔦重の頭にその言葉がズドンと撃ち込まれました。

蔦重

…そう来たか

ーおい!読んだかい?今年の春町の!

俺や春町は好みじゃねぇんだよ。どっか真面目でよ。

何言ってんだい、今年の春町は一味違うんだよ!

妄想の中で、そんな会話が始まります。

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蔦重

…そりゃもう、『そう来たか」ってな話ですよね

恋川 春町

おい、蔦重

木網につつかれて振り返ると、喜三二と歌麿に付き添われた春町が居心地悪そうに立っていました。

蔦重

春町先生!

いささかバツの悪い空気が流れるも、南畝と菅江はまるで頓着せず、

大田 南畝

おー!春町先生!

先生!今よ!

と寄っていこうとします。

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状況を察した木網が二人を捕まえ、

じゃあ帰りますよ!このあとウチの会があるでしょう!ウチの会が!

と強引に連れ去ってくれました。

恋川 春町

…蔦重。先日は

口ごもりつつ切りだした春町に、蔦重はいつもと変わらぬ笑顔を向けました。

蔦重

ちょうどよかった。春町先生、ウチで書きませんか?一つ『皮肉屋の春町』で!

朋誠堂 喜三二 (平沢)

皮肉?

喜三ニがキョトンとします。

蔦重

南畝先生が、春町先生には実は物事を『皮肉』る才があるんじゃねぇかって

恋川 春町

皮肉かどうかはよく分からぬのだが

と言いつつ、春町は懐から書き付けを取り出しました。

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それぞれ「恋」「川」「春」「町」の偏に「失」の旁がついている妙な漢字です。

蔦重

なんです、こりゃ

恋川 春町

あのあと、つれづれに己を見つめ直しておってな

朋誠堂 喜三二 (平沢)

恋を失うと書いて、『未練』って読むんだってさ

と喜三二が解説します。

川を失うは『枯れる』、春を失うは『はずす』、町を失うで『不人気』。

恋川 春町

それが『恋川春町』という男だ

根っから明るい高重には計り知れない暗さです。

蔦重は懐きつつも、次の書き付けを見ました。

蔦重

これは?

『屁』の字が三列三段に書かれた塊の中に、一角だけ「屍」の文字が混ざっています。

恋川 春町

ひとり…

春町が呟きます。

蔦重

ひとり…

蔦重もオウム返ししながら、思い出していました。

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一同が次郎兵衛の放屁をきっかけに異様な盛り上がりをみせる中、一人だけ虚無になっていた春町を…。

その絵はなんだか滑稽で、腹の底からフツフツと笑いが込み上げてきました。

蔦重

いってえどうすりゃこんなモン思いつくんですか!あーもう、先生ってお人は

恋川 春町

このような作り文字をこの体裁でやってはどうかと

おののたかむらうたじづくし

私物なのか、春町が古びた本を出してきました。

題名は「小野篁歌字尽』。

往来物の一種で、同じ部首を持つ漢字を並べ、それを調子よく覚えられるように工夫した漢字の教科書でした。

紙面を見た蔦重はたちまち閃きました。

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春町が闇夜なら、蔦重は稲妻のごとくです。

蔦重

先生、これをひとつ『吉原」を舞台にやってみませんか?吉原絡みのあれやこれやを、皮肉の利いた春町文字にすんですよ。
罵り歌の時のような

朋誠堂 喜三二 (平沢)

ん? そりゃどういうこったい?

喜三二は首を傾げたが、春町はその場でパパッと文字を書き始めました。

「門」構えの中に「絵本」という文字。

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喜三二がハタと思い当たります。

朋誠堂 喜三二 (平沢)

大門の本屋。これで蔦屋って読むのかい?

朋誠堂 喜三二 (平沢)

もう一歩進み、門の前の本の問屋、ほんとんや、調子が良くてほんといやっ!......などということか?

恋川 春町

その通り浦町!いかにも、たこにも、うそはねえ!

蔦重はぱあっと破顔しました。

妄想の中の会話の続きが聞こえてきます。

今年の春町はね…えらく皮肉屋なんだよ!

べらぼう22話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:意知

一方、田沼意知は誰袖に会うため再び大文字屋に上がりました。

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吉原言葉で言えば裏を返したわけだが、誰袖の部屋で交わされている会話は、艶っぽいものとはかけ離れた内容です。

田沼 意知(意次の息子)

あいにく、これは抜荷の証とはならぬ

誰袖が土山経由で送りつけてきた、黄褐色の石でできた腕飾りです。

添えられていた文には、

『松前公の弟君の腕飾り。オロシャ産の琉珀という石。抜荷の証にござりんす』

と書いてありました。

誰袖

なにゆえでありんすか

分かっていながら、誰袖は口元にうっすら笑みをたたえて問います。

田沼 意知(意次の息子)

オロシャ産のものを持っておるというだけでは、蝦夷と交易する商人を通して手に入れたと言われて終わりだ。
蝦夷を通さずこの品を手に入れておらぬ限りは抜荷の証とはならぬ。
これで間者ごっこはよしにしておけ

誰袖

では、この際、弟君にその蝦夷を通さぬ抜荷とやらをやらせては?

松前廣年は繊細そうな若者でした。

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幼い頃に松前を出されて以来、江戸家老をしつつ絵などを学んでおり、その日は出入りの商人の年に一度の接待で吉原に来たといいます。

誰袖は魔性の微笑みで、廣年の手首にはめられていた腕飾りをまんまとせしめたのでした。

誰袖

弟君は勝手に使える金はあまりない、本当は吉原などでももっと遊びたいなどとおっしゃっておりんした。
こちらが儲かる抜荷商いを持ちかければ、乗ってくるのではありんせんか?
......身請けをしてくださるなら、この先を進めてもよろしうありんすが

誰袖の大胆な申し出に、さすがの意知も驚きを隠せません。

田沼 意知(意次の息子)

…なにゆえ、さように私の身請けを望む。吉原を出たいと言うなら土山にねだったほうがよほど早かろう

誰袖

んふ。わっちは吉原一の二枚目好みにござんして。
このお顔を日一日眺めて過ごす身となりたいのでござりんす

田沼 意知(意次の息子)

花魁。これはそなたが思うよりずっときな臭い話でな

誰袖

ここは日々が戦にござりんすよ?騙し合い、駆け引き、修羅場。わっちの日々はきな臭いことだらけにありんす。それでもご案じなら、スサノヲがクシナダヒメを守るがごとく、主さんがわっちをお守りくださるというのは?

意知の手をとり、自分の頬に当てじっと目を見つめます。

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意知はこの女郎を見くびっていたようです。

そんじょそこらの男よりよほど肝が据わっています。

意知も誰袖を見つめ返し、そして、肚を決めました。

田沼 意知(意次の息子)

…よし、田沼意知と申す。
見事抜荷の証をたてられた暁には、そなたを落籍いたそう

べらぼう22話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:忘年会

師走と言えば正月事始め、江戸城下では一斉に煤払いが行われ、人々は松迎え、餅つきなど正月を迎える準備に余念がありません。

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一方、吉原に向かう客たちは相変わらずの太平楽、十一月に初演された富本豊前太夫の浄瑠璃睚用恋手取」の上演曲を県歌で歌いながら歩いていきます。

そんな年の暮れ、蔦重は世話になった戯作者や絵師、職人たちを労う会を開きました。

今で言えば出版社の忘年会というところ。

許しをもらって女郎たちも呼び、半次郎と留四郎は手伝いに、次郎兵衛もむろん参加して、耕書堂は蔦重を中心に円を描くように広がった人たちで溢れ返りました。

作家たちは正月に刊行する本や絵を褒め合ったり、自作の苦労話を語り合ったりしています。

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蔦重と歌麿はお礼の挨拶を兼ね、客に酒を注いで回ります。

蔦重

どうもどうも南畝先生にはとりわけお世話になりまして

大田 南畝

売れそうか?俺の青本

蔦重

おかげ様で本屋らの目を引いております。あの四方赤良がどんな戯作をって

俺の指南書はどう?どうだい?

と木網。南畝との共著『浜のきさご』です。

蔦重

これがすこぶる評判がよく!もう本屋から注文が次から次にと入りまして!みなみな様のおかげにございます!

続いて彫り師、摺り師、手習いの師匠、忙しくなった蔦重の代わりに細見の選を引き受けてくれた忠五郎にも礼を言います。

蔦重

どうもどうも皆様にはとりわけお世話になりまして。
細見、往来物、富本本!
屋台骨がゆらがず過ごせておるのは皆様のおかげ!
富士より高きありがた山で!

北尾重政と勝川春章、親しい人気絵師の二人が楽しそうに話し込んでいるところにも顔を出します。

重政門下の二人、政演と政美も一緒です。

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政美はもっぱら青本などの挿絵を描いている若手絵師です。

北尾 重政(絵師)

いやぁ、忙しかったねぇ今年は

重政は草双紙だけでなく狂歌、艶本までどんな画題でもこなしてくれるので、ついつい仕事の依頼が多くなってしまいます。

本人も、肉筆画より多くの人が手に取る挿絵のほうが好きなようです。

蔦重

先生にはもうとりわけお世話になりまして

蔦重が世に出るきっかけとなった「一日千本」以来、重政には感謝してもしきれません。

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北尾 重政(絵師)

いやいや、こちらこそ。今年は政美にも仕事もらって、政演にゃあこんなでけぇ仕事

重政の言う政演の「でけぇ仕事」とは、大判の女郎の錦絵です。

繊細な描写、力強い筆致、豪華絢爛な色彩。

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それだけではありません。

吉原通の政演が描く女郎たちは一人ひとりの個性が生きていました。

すごいの出来ましたよね。これ!

手放しでほめる弟弟子の政美、一方、師匠の重政は

北尾 重政(絵師)

まあ俺がやりゃあこんなもんじゃなかったけどな!

と、おだてに乗りやすい政演をあえて牽制します。

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さとのばかむらむだじづくし

なぜか政演は静かです。

見れば、春町が書いた『廊篤費字』をじっと読み耽ってます。

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例の、漢字遊びの青本です。

蔦重

どうしたんでえ。政演先生

俺、こっちがよかった

とポツリ。

俺、そっちよりこっちやりたかったよ!

吉原を舞台にして創作された"費字"は、たとえば偏が「女」、間に余白を置いて旁が「男」で「見立て」。

偏が「男」で旁が左右反転した「女」は「振る」。

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「男」と「女」が寄り添って「後期」。

そんな調子で、「金」で「死」ぬのは「野暮」、「金」を「生」かすは「通」、「金」を「無」くすのは「息子」、「金」の「番」は「親父」などなど、笑わせたり唸らせたりの傑作揃いでした。

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中には「吐」を囲むように「客」や「敵(女郎)」の字を配置して「大一座(団体客)」と読ませたり(字の横には吐いている客を介抱する女郎や仲間の客の姿が描いてある)、「客」という大文字を複数の男と女、遠巻きに禿が取り囲んだ漢字は「大いざ(大きな揉め事)」というように、知的な遊び心が満載でした。

なんで俺じゃねぇんだよ! コレ、俺のためにあるような趣向じゃねぇか!

いきり立つ政演を見て、蔦重は呆気に取られました。

蔦重

…お前さんでもそういうこと言うんだね

恋川 春町

あーちくしょう!

その様子を、春町が少し遠目から見ていました。

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隣に座っていた喜三二が、

朋誠堂 喜三二 (平沢)

話してきちゃどうだい?

と微笑んで春町に徳利を渡します。

べらぼう22話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:へっぴり男

そうとも知らず、政演は蔦重たちを相手に盛大に愚痴っていました。

皆、俺が遊んでばっかりみてえに思ってるかもしれねぇけど、見えねぇとこでは地味に働いてますからね!

けど、隣に女がしなだれかかってんだろ

と重政が茶化します。

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だからよけいてぇへんなんですよ!左で女可愛がって右で描くんでさ!

春章が笑いながら

できるかよ!んじゃどうやるのか教えてくれよ。おい!誰か!

と女郎たちを呼ぶが、みな誰かの敵娼になっていて男たちが手放そうとしません。

仕方ねぇなぁ。んじゃ、俺を女だと思ってやってみろよ

わっちでもようありんすよ

重政と春草が政演をからかっていると、徳利を手に春町がやってきました。

蔦重の次に政演が気づき、「廓急費字議」を掲げ、

面白えですね、これ

と面白くなさそうに言います。

同じ拗ねるのでも、春町とは正反対です。

恋川 春町

では、いつか、それのおっかぶせでも作ってくれ。
俺の描いた『廓篤』はきっと吉原の浅いところしか見ていない。
もっと深くもつと穿った目で見たそなたの『費字書』が俺は読みたい

今度は春町も素直に、思いのままを伝えました。

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恋川 春町

盗人呼ばわり、すまなかった…

あの、盗人呼ばわりって?

政演はまったく覚えていない様子。

隣で見ていた蔦重は思わず噴き出してしまいました。

蔦重

だから言ったじゃねぇですか。誰も気にしてねぇって

春町も笑い、蔦重と席を交代して、政演に酒を注ぎつつ創作のやり方など話し始めました。

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その光景を微笑ましく見ていた蔦重に

歌麿(唐丸)

きっと二人仲良くなるね

と歌麿も笑顔で言います。

蔦重

だよな。作も画もやってってなぁ、あの二人くれえだもんなあ

ふと見ると、今度は喜三二が一人寂しく手酌になっています。

蔦重

まあさーん。今年もとりわけお世話になりましたー

蔦重は最大の恩人のところへ飛んでいきました。

夜も更けて耕書堂は本屋というより酔っ払いの会所となり、当然のように皆が女郎を口説きだしました。

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賭け事をだいに使う燕十、奇天烈な話で面白がらせる三和、南敵は狂歌の手ほどきをしたりー。

蔦重はさっそく二階にしけ込んでいた政演と女郎をとっ捕まえます。

蔦重

そういうことはあとで吉原でって!なか行くからって言っただろ

下に引きずり降ろそうとしたら、これまた女郎としけ込もうとしていた喜三二と鉢合わせ。

蔦重

まぁさん『あとで』『なかに』行きますから

しっかり言い聞かせます。

朋誠堂 喜三二 (平沢)

だって

蔦重

だってなんです

朋誠堂 喜三二 (平沢)

余興もねえとこに、こんなかわいい人がいちゃよお

内容はともかく、がんぜない子供のような言い草です。

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そろそろ女郎屋に移ったほうがいいと半次郎に言われ、歌麿に使いを頼もうとした時でした。

べべん!

三味線の音と共に、次郎兵衛の声が響き渡ります。

次郎兵衛(蔦重の義理の兄)

さあさ皆様ご注目~

奥から褌一丁の春町と、三味線を持った次郎兵衛が現れました。

蔦重

は、春町先生?

蔦重はあ然としました。

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酔っ払いたちも目を丸くしています。

これよりお目にかけまするは一世を風靡せし、かの名高きへっぴり芸、花咲男!

おおおおお!

へっぴり男って

あの、源内先生の「へっぴり論」の?

と皆が口々に騒ぎだします。

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一世を風靡した平賀源内の『放屈論』を読んでいない者はいません。

恋川 春町

皆様には、せめて、年のしまいにお笑いいただきたく。いよおおおっ!

春町は口上を述べると、芸の域に達する実に巧みな屁を放ちました。

これは、いけるのではないか。

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一同、期待に胸膨らませ固唾を呑んで見守る中…

恋川 春町

プ、プ、プ、ブ、プ

口から屁音を出しながら、春町は能の「三番嬰」天下泰平・国家安穏・五穀豊穣を祈願する、大変めでたい舞を踊りだしました。

それはもう、騒がし屋たちが無言になってしまうほどの下手くそな踊りで、いっそ清々しいほど。

今で言うなら見事な「滑り芸」です。

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ぽかんとしていた蔦重たちに、じわりじわりと笑いが込み上げてきます。

恋川 春町

烏帽着る人真似の尻笑い赤地歌の腰も折すけ…狂名、酒上不!ぷう~

微妙な空気を吹き飛ばす勢いで皆の大爆笑が弾けました。

べらぼう22話のネタバレとあらすじを吹き出しで解説:意知と蔦重

蔦重

んじゃ、あと、よろしくお願いしますねー!

客たちを大文字屋に押し込め、蔦重はやっとひと息つきました。

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ふと冷たいものが頬に当たります。

見上げると、チラチラと雪が降り始めました。

平賀 源内

書を以て世を耕すんだよ。

こんな夜は、源内のことが思い出されます。

耕書堂の名付け親は、蔦重の成功を見てくれているだろうか。

蔦重

......三年か

源内が亡くなってからの年数を指折り数えていると、大文字屋から客が出てきました。

立派な身なりの侍です。

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次の瞬間、その光景が蔦重の脳裏に蘇りました。

田沼老中の屋敷で源内の死を告げにきた侍です。

蔦重

…あの。以前、田沼様のお屋敷でお会いしませんでしたか

目が合ってしまったので仕方なく話しかけると、人のいないところで話したいと言います。

さしあたって仕事も用事もありません。

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雪の中、蔦重は侍を九郎助稲荷に案内しました。

田沼 意知(意次の息子)

いつか思い出すのではないかと思うてはおったのだがな

蔦重

あの。野暮なことを聞きますが、敵はどなたで?

田沼 意知(意次の息子)

そなたに隠しても無駄であろうな。誰袖花魁だ。どうも顔が気に入られたようでな。どこが良いのやらまったく分からぬが

蔦重

…あいつ。あの、あいつあその、土山様の敵だってなぁご存知のうえで

驚きつつも、この自覚ナシの男前なら面喰いの誰袖でなくとも乗り換えたくなるだろうと思います。

田沼 意知(意次の息子)

むろん。そこは土山とも話はつけた

呼び捨てにするということは、土山より身分が上なのは間違いありません。

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蔦重

然様にございますか。あの、田沼屋敷でのお役目はご家老様などで

田沼 意知(意次の息子)

いや、跡取り息子だな

蔦重

然様で。えっっ!

蔦重は引っくり返りそうになりました。

蔦重

田沼様の、ご子息…

田沼 意知(意次の息子)

実は我らは今、『蝦夷地』を上知しようとしておる

蔦重

え、ぞ?

田沼 意知(意次の息子)

蝦夷地を上知し、国を開き、鉱山を開き、幕府の御金蔵を立て直す。幕府を今以上に揺るぎなき中央の府とし、物の流れもより整え、諸国ももっと豊かな地に育て上げる。最後に、源内殿も口にしておった試みだ

あまりにも予想外の、いや奇想天外な話で頭がついていきません。

田沼 意知(意次の息子)

どうだ、そなたも一つ仲間に加わらぬか?蔦屋重三郎

これまた思いもかけぬ誘いである。二人の間に、静かに雪が舞い落ちました。

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蔦重

…お断りします。今は手前のことで手いっぱいですし

田沼 意知(意次の息子)

そうか。気が変わったら言ってくれ。それからこの話は他言無用で頼む。花魁のためにもな

それこそ狐につままれたような顔で見送っていた蔦重は、ふと気づきました。

蔦重

…花魁のためにも?

口に出すと同時に、「抜荷」のことを聞いてきた誰袖の顔が浮かんだのでした。

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べらぼう次回放送

次回のべらぼうネタバレ第23話はこちら

第21話 | 第23話

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べらぼうのネタバレとあらすじ:一覧

2025年5月

2025年6月

【べらぼう】ネタバレ&あらすじ 吹き出しで最終回まで読みやすく解説
るるプレス

【べらぼう 6月】あらすじ一覧

第22話 6/1 (日) 小生、酒上不埒にて
第23話 6/8(日) 我こそは江戸一の利者なり
第24話 6/15(日) げにつれなきは日本橋
第25話 6/22(日)
第26話 6/29(日)

べらぼう22話:筆者の見解

見返りさん

放送後に記載いたします~!

大河ドラマ べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~ 蔦屋重三郎とその時代 (TJMOOK) [ 鈴木 俊幸 ]

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